沖縄県与那原町板良敷出身で野球の元独立リーグ選手の高島輝一朗さん(26)は12日、母校の与那原中学校を訪れ、2年生約250人に「命の講演会」をした。これまで2度にわたって急性リンパ性白血病を発症した経験を振り返り「『大変』っていう言葉にはネガティブなイメージがあるよね。でも『大』きく『変』われるチャンスだと思う。だから今を全力で過ごして」と呼びかけた。(南部報道部・平島夏実)
高島さんは當間保校長の教え子。5歳と15歳の時に白血病と診断された。闘病中は鼻血が止まらないなどの症状に加え、薬の副作用や友人と遊べない孤独感などに苦しんだ。転機になったのは母直美さんの言葉だった。
「輝一朗、あのね、『大変』って『大きく変わる』って書くでしょ。乗り越えたら成長できるよ」
そう励ましてもらって以来、「院内のお風呂に自力で入る」「退院して家で眠る」「公園に行ってみる」「キャッチボールをする」などの目標を立てて、一つずつ努力を重ねていったという。
高校も休みがちで「自分の居場所と存在価値」に悩んだ時期があった。だが「大好きな野球ができなくてもチームメートのサポートならできる」と思い直し、練習での声出しやボール拾いを進んで担った。甲子園に出場した友人たちが「頑張れたのはお前のおかげ」と言ってくれ、「見てくれている人はやっぱり見てくれているんだ」と胸が熱くなったと振り返った。
高島さんは闘病仲間との思い出にも触れた。「生きたくても生きられない命がある。だから僕には一生懸命生きる責任がある。これからも精いっぱい、命を燃やして生きていく」と締めくくった。「『大変』は大きく変わるチャンス」 元野球独立リーグ選手、白…の画像はこちら >>
沖縄大学野球部時代の高島輝一朗さん=2020年、那覇市・同大アネックス共創館