【千葉魂】千葉ロッテ・和田、プロ8年目の決意 定位置取りへ打撃アピール(第456回)

石垣島春季キャンプでは連日、全体練習の後に個別の打ち込みを行っている選手が目立つ。「よく練習をしている。内に秘めているものがあるのではないかなぁ。打撃練習でも内容がすごくいい」と栗原健太打撃コーチが見つめていた先には、和田康士朗外野手の姿があった。
和田は「打撃でアピールしないといけないという想い。去年の秋くらいからセンターから逆方向への意識を持って取り組んでいる」と話す。
2021年に盗塁王に輝くなどリーグ屈指の脚力で有名だが、鋭いスイングも魅力の選手だ。栗原コーチもそのスイングスピードを「素早くコマのように回転する能力を持っている。人より回れるのはキレ、瞬発力があるからだと思う」と称賛。そして「そもそも速く回れるのである程度、ボールを引きつけて打てる。あと今は身体からバットが離れないように意識している。それらを意識して逆方向に打てると彼の足もさらに生きる」と説明する。
取り組んできている打撃はしっかりと練習での手応えにつながっている。2月11日に行われた紅白戦でも逆方向へ安打を打つなど結果も見せた。
本人も「今のところ手応えはいい。あとは実戦でと思う。今は数を振って身体に覚えさせないと。とにかく数を振ってなんとか身体が覚えてくれるように練習をしていきたい」と充実した表情を見せながら、さらに打撃に磨きをかけるべく燃える。
プロ8年目の26歳。今シーズンは同じ外野手としてドラフト1位ルーキー・西川史礁選手も加わり、外野の競争はハイレベル。熾烈を極めている。そんな状況下、ライバルたちに負けじとアピールし競争に勝ち抜きたいという想いが和田を突き動かす。疲れを感じることすら忘れ、ただバットを振る。
「年齢的にも時間はないと思っている。今こそ頑張らないといけない。そろそろやらないと諦められてしまう」と和田は悲壮感すら口にする。努力と工夫を重ねた先に見据えるのはレギュラーとしての試合出場。「そこを目指して誰しもやっている。ボクもそこを目指してやっていく」と力強い。
今年のマリーンズは各ポジションで激しい競争が起こっている。それぞれがライバル心をむき出しにして危機感を持ちながらレギュラーを奪おうと必死に取り組み、己を高め合っている。雨天が多かった石垣島春季キャンプだったが熱気に満ちあふれ、遅くまで室内練習場はボールを打つ音がこだまし続けた。和田も理想の打撃スタイルを身体に染みつけさせるためガムシャラな日々を送っている。そのすべては秋に笑うために。
(千葉ロッテマリーンズ広報 梶原紀章)

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