【名護】名護市の名護岳で10日、やんばる地域の固有種で国の特別天然記念物ノグチゲラの雄の成鳥1羽が確認された。名護岳で繁殖した記録はないが、環境省の調査で昨年6月に雌が確認されており、繁殖への期待が高まっている。
名護岳で月に一度、野鳥の生息状況などを調査している県鳥獣保護管理員の岸本和也さん(35)が発見。午前7時55分ごろ、林道沿いの木に止まっていたという。ノグチゲラ保護増殖事業ワーキンググループで検討委員を務める渡久地豊さん(62)が連絡を受けて駆け付け、撮影に成功した。
ノグチゲラはかつて、同市内にも分布していたが、森林伐採やマングースの増加などで国頭、大宜味、東の3村に生息域を狭めた。現在は環境省レッドリスト絶滅危惧IA種に指定されている。近年はマングース対策事業や森林保護が奏功し、2015年に同市源河で営巣が確認されて以降、生息域を南に広げている。
岸本さんは「地面でえさを探す習性がある雄が確認できたのは、マングース防除事業の現れだ」と実感する。やんばる自然保護官事務所の椎野風香自然保護官は「春からが繁殖期。重点的に調査に取り組みたい」と期待した。(北部報道部・比嘉海人)特別天然記念物のノグチゲラ 沖縄・名護岳で雄の成鳥確認 繁殖…の画像はこちら >>