高齢者施設虐待、最多60件 千葉県23年度調査 研修で周知、通報数増

千葉県は、2023年度の介護事業所職員らによる高齢者への虐待が過去最多の60件(前年度比24件増)で、虐待を受けた高齢者もこれまでで最も多い計95人(同46人増)だったとする調査結果を公表した。いずれも事業所がある市町村が改善指導を行い、再発防止を図ったとしている。自治体への相談・通報件数は149件(同26件増)だった。
県高齢者福祉課によると、認定された虐待60件のうち、特別養護老人ホームが22件で最多だった。住宅型有料老人ホームで15件、介護老人保健施設で7件、介護付き有料老人ホームで5件、短期入所施設で4件、認知症対応型共同生活介護事業所と訪問介護等で各2件と続いた。
虐待の種類(複数回答)は暴力や拘束といった「身体的虐待」が68・4%と最も多く、暴言などの「心理的虐待」が20%、放置などの「介護等放棄」が16・8%、わいせつな行為などの「性的虐待」と現金を盗むなどの「経済的虐待」がそれぞれ2・1%だった。
同課の担当者は「増加自体は残念だが、研修などを通じて虐待を通報する意識が広がっていると捉えることができる」と説明した。
家族などの養護者による高齢者への虐待は699件(前年度比38件減)。虐待者は息子が37%と最も多く、次いで夫と娘がそれぞれ21・6%だった。

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