新潟中央卸売市場にある「水産食堂」。ここには朝早くから働く競り人達に愛されているマグロ丼がある。人気の理由はおいしさだけでなく、多くの人にマグロを堪能してほしいと言う店主の優しさにあった。
新潟中央卸売市場にある「水産食堂」で、早朝から働く競り人達に人気なのが、どんぶりに盛られたごはんの上に隙間なく赤身やトロがのったマグロ丼。養殖のものから天然のものまで、のせるマグロはその日のいいものを使うようにしている。
「赤身、中トロ、大トロとりあえず入れるようにしています」こう話すのは店長の本間 栄さん。多いときには1日60人以上が注文するマグロ丼は、脂がのって口の中でとろけていく美味しさだ。気になる値段は、税込1450円。一見高く感じるが、多くの人にマグロを堪能してほしいという思いから値段設定はギリギリまで安くしている。利益率を聞くと、「損しないくらいに頑張っております」と本間さんは話す。
マグロ丼の提供は金・土曜日のみで、なくなり次第販売終了。市場にある食堂のためマグロの輸送にあまり経費がかからず仕入れ価格が抑えられていることも、この値段を実現できる理由の一つだという。「サービスをして出しているので。いいところのマグロをつかっているから満足すると思うのでよろしくお願いします」と本間さんは笑顔で話す。本間さんの優しさが詰まったマグロ丼。早朝から活動する競り人たちの心とお腹を満たしている。