「保険証が使えなくなる」暗号資産で約3800万円相当だまし取られる特殊詐欺被害 30代の娘に電話を代わったものの言葉巧みに…

新潟県警・上越警察署は2日、30代女性と60代女性の親子が暗号資産で約3800万円相当をだまし取られる特殊詐欺被害があったと発表しました。親子の自宅に厚労省の職員を名乗る男から「保険証が使えなくなる」などと電話があったことがきっかけでした。

被害に遭ったのは、上越市に住む30代女性と60代女性の親子です。

警察によりますと、10月2日に2人の住む自宅に厚生労働省の職員を名乗る男から電話があり、母親に「あなたの保険証が使えなくなる」などと言ってきたことから、娘に電話を代わったところ「病院で薬が不正に処方され、保険証の名義人が母親であった。保険証が不正に利用されている可能性がある。被害届を出さないといけないので、警察にまわす」などと言われました。

次に仙台中央警察署の警察官を名乗る男に電話が代わり、「保険証の不正利用で犯人を逮捕した。犯人はマネーロンダリングをしていて、あなたたちも関与している疑いがある。今後の連絡はアプリでやり取りする」などと言われ、娘が指定されたSNSのアプリケーションをダウンロードしたところ、音声通話で警察官を名乗る男や検事を名乗る男から「嫌疑を晴らすために、あなたたちの資産を調べる必要がある」「ネットバンキングで暗号資産を購入して、指定のアドレスに送金してください。調査が終わったら返金する」などと言われ、銀行口座の新規開設や暗号資産取引用のアプリケーションからのダウンロードを指示されました。

2人は10月29日までの間、検事を名乗る男などから指示されるがまま、7回にわたって合計約3841万円相当の暗号資産を指定されたアドレスに送信し、だまし取られたということです。

その後、2人は本当に返金されるのかと不審に思い、厚生労働省のホームページを確認したところ、今回同様の詐欺事例が掲載されており、被害に気付きました。

警察によりますと、最大で1回に966万円をだまし取られていたということです。警察は暗号資産を使った詐欺が増えていることから、注意するよう呼びかけています。

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