「会津小鉄会」8代目会長に山口組直系組長が就任…高山義友希総長は元信金マンの“エリートやくざ”

京都府警は指定暴力団「会津小鉄会」(京都市)の8代目会長に六代目山口組「淡海一家」(滋賀県大津市)の高山義友希総長が就任したと28日明らかにした。山口組の直系組長が他の指定暴力団のトップを継承するのは初めて。
今年9月、京都の本部で「継承盃」の式典が行われ、山口組の中核組織「弘道会」の竹内照明会長や「稲川会」の内堀和也会長らが出席した。
会津小鉄会は幕末、会津藩に出入りしていた侠客が、京都の博徒たちを集めて結成した老舗組織。最盛時には約1600人の構成員がいたが、昨年末時点で40人まで減少した。
高山会長の就任により、友好関係にある山口組が支援していくとみられ、自身の出身母体、淡海一家も、会津小鉄会の傘下となった。
高山会長は、会津小鉄会4代目高山登久太郎組長の長男。大卒後、地元の信用金庫に入社。建設業や金融業を営み、ヤクザの世界に足を踏み入れた異色の経歴を持つ。父親が引退後、六代目山口組の司忍組長が設立した「弘道会」に入り、淡海一家を設立。2009年に直参に昇格した。
■跡を継がせた司組長と高山若頭の思惑
「会長就任にあたって、父親の影響があったとみられるが、間違いないのは8代目会津小鉄会は、独立組織だということ」(捜査事情通)
高山会長は05年、京都市内の建設業の男性に「名古屋の頭に届ける」とみかじめ料を要求し、現金4000万円を脅し取った。「頭」というのは当時、弘道会2代目組長で山口組ナンバー2の高山清司若頭のこと。弘道会は淡海一家とともに京都府内で勢力拡大をもくろんでいた。2人はこの事件で逮捕され、刑務所に収容された。
暴力団に詳しいノンフィクション作家の溝口敦氏が、今回の人事の狙いをこう分析する。
「父親の登久太郎が会津小鉄の名を高めた。だから私物感というか、自分の物という意識があったのかもしれません。名古屋の高山若頭のところに行って『わらじを脱いだ』『ヤクザ修行をした』と伝えた可能性もある。ただ高山若頭は会津小鉄の高山のせいで府中刑務所に入れられた。山口組が会津小鉄をのみ込んだという見方もできます」
司組長や高山若頭は、なぜ弱体化した組を残し、支援し続けるのか。
「2人には妙なコレクション趣味がある。名門の山健組や竹中組を残したのと同様、ブランドである会津小鉄も残したかったのではないか。もはやボロボロで残したところでしょうがないが、彼らの感性からすれば不思議ではない。組織をのみ込む一方で名前は残し、バックアップ体制を取ったということでしょう」(溝口氏)
高山若頭は読書家で戦史など歴史好きだという。

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