日本を訪れる外国人観光客の消費額が過去最高を更新しています。日本各地がにぎわう中、”通過”されてしまう名古屋が始めた試みを取材しました。外国人に人気の観光地、岐阜県高山市。26日も朝から多くの観光客でにぎわいました。(台湾から)「山々の景色や温泉を楽しむために来ました。温泉グッド!」(イギリスから)「(高山を)同僚がすすめてくれました。食べ物が最高!」
“通過される”名古屋 「知らない」「行ったことない」 外国人…の画像はこちら >>
訪れた人は、美しい高山の街並みや紅葉を写真におさめたり、食べ歩きをしたり…。10月に発表された観光庁のデータによると、ことし1月から9月までに、日本にやって来た外国人観光客が使ったお金の総額は、過去最高の去年の年間総額を上回る5兆8582億円!円安を追い風に、外国人観光客で、賑わいを見せる日本。しかし…
(アメリカから)「(Q.名古屋を知っていますか?)知らないかな…東京はわかる。もしかしたら、名古屋を通り過ぎたことはあるかも」(スイスから)「(名古屋には)行ったことがない。(Q.名古屋について知っていることは?)ほとんど知らない。もっと勉強すべきだね」(オーストラリアから)「名古屋は東京から来るときに降りただけなので、観光はしていない」
CBC
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「名古屋を知らない」「名古屋は通過しただけ」などの意見が…。そんな状況を打開しようと、名古屋市でこんな取り組みが始まっています。
夜の名古屋城に続々と入っていく人たち…一体何が始まるのか。
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(実行委員長 倉橋岳さん)「(名古屋城の)目の前までいざないます。どうぞついてきてくださいませ」
11月21日。一般入場の終わった、午後5時半ごろの名古屋城で始まったイベント。貸し切り状態の名古屋城です。(倉橋さん)「あそこは重要文化財『表二之門』。こちらにも『表一之門』というのがあった。いまから天守へ向かいます」
そして一行がそのまま歩き続けると…目の前に広がるライトアップされた名古屋城が!
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名古屋城のすぐ近くの特設会場で始まったのは“豪華な晩餐”です。これは愛知県観光協会などが、名古屋の魅力をもっと知ってもらいたいと特別に許可を出して行われたイベントで初開催のこの日は、14人が参加。料金は1人なんと15万円です。料理はシェフが最年少でミシュラン二つ星を獲得した名古屋のレストランが担当。その名も「至高の晩餐」です。
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(倉橋さん)「今回のメニューは全てなるべく地域のベストなものを使っている。」料理は師崎産のハモや三河一色産のウナギ、豊橋産の鴨料理、さらに、将軍の“よろいかぶと”をイメージした伊勢エビも。地元の高級食材を使ったフルコースです。
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実は、このイベント、11月18日からの3日間は「将軍体験ツアー」を開催。名古屋城本丸御殿で将軍の儀礼衣装の着付け体験などができ、1人で参加の場合、お値段は180万円です。
このイベントの開催理由は…(倉橋さん)Q.名古屋の魅力を発信するためというのは大きい?「大きいです。もしかしたら名古屋の人たちさえも気づいていないくらいの魅力を海外の人も含めて、しっかり刺さる人たちにお届けしたい」
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一番のターゲットは富裕層のインバウンド客。高い価格設定でも本物の体験を求める富裕層の受け皿を名古屋に作ろうというわけです。観光庁によりますと、ことし8月の1か月分の外国人延べ宿泊者数は1位が東京都の約448万人。2位が大阪府の約214万人。愛知県は8位の約33万人。愛知県は東京や大阪に1人負け状態なのです。
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イベントに参加したフィリピンからの参加者は…(参加者)「(フィリピンで)日本の歴史ドラマが人気になっているので、このようなコンセプトは観光客にとって日本の魅力や人気を高めると思います」
大満足に終わったイベント。最後はみなさん、将軍になったつもりで…「勝ちどきじゃー!えいえいおー!えいえいおー!」
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(倉橋さん)「まだまだこれからなので、魅力発信の1つとなるように。1回できたので続けていきたい」