ウイルスや細菌が付着した食べ物を食べることで起こる『食中毒』。
家庭でも発生する危険性があるため、原因や予防法について正しい知識を身につけておくことが大切です。
東京都保健医療局は公式サイトで、食中毒予防に関する情報を提供しています。
食中毒の原因になりやすい『カンピロバクター』のリスクや正しい対処法を参考にしてみてください。
カンピロバクターとは、ニワトリやウシといった家畜類の腸内に生息する菌のこと。特に注意が必要なのは鶏肉で、市販されている鶏肉からもカンピロバクターが見つかっているそうです。
肉の中まで十分に加熱されていれば菌は死滅します。しかし肉を食べること以外の理由でも食中毒が発生した事例があるため、注意が必要です。
カンピロバクターの特徴の一つは、少しの菌で食中毒が起きることです。
ですから、例えば、カンピロバクターが付いた鶏肉を切ったまな板を、そのままサラダや和え物などの加熱しない調理に使うと、その食材にカンピロバクターが付着し(二次汚染といいます)、食中毒の原因になる可能性があるのです。
東京都保健医療局 ーより引用
「ほんの少しだから大丈夫だろう」というわずかな油断が、食中毒を引き起こしかねません。
もし以下のような症状が現れた場合は、カンピロバクターによる食中毒を疑ってください。
・発熱
・頭痛
・吐き気、倦怠感
・腹痛
・下痢、血便
またカンピロバクター感染後、神経疾患の1つ『ギラン・バレー症候群』を発症するケースも報告されています。手足のしびれや麻痺、呼吸困難などの症状のほか、後遺症が出る恐れもあるため十分注意しましょう。
カンピロバクターによる食中毒を避けるためには、調理時の工夫が重要です。
生肉はもちろん、加熱が不十分な肉も大変危険なため、中まで火が通るようしっかり加熱しましょう。
75℃以上で1分以上の加熱が目安です。
また、調理した肉の断面が赤くないか、肉汁が透明になっているかなど、見た目でも判断できるのでしっかり確認してください。
肉を切る時は、ほかの食材を切る時とは別の調理器具を使うのがおすすめです。もし難しい場合は、加熱不要の食材を先に切ってから、肉を最後に切りましょう。
また肉を保存する際にも注意が必要です。漏れた汁の付着を防ぐため、肉を保存袋に入れる、ほかの食材と離れた場所に保存することを徹底してください。
東京都保健医療局によると、肉を切った後のまな板を水で流すだけではきれいにならないとのこと。洗剤を使って洗えば一定の食中毒予防効果は期待できるものの、完璧ではありません。
70℃以上のお湯をまんべんなく回しかけることで、より予防効果を高められるそうです。お湯をかけた後は、しっかり乾燥させて清潔にしておきましょう。
調理する前や肉を触れた後は手洗いが必須ですが、石けんで一度洗うだけでは不十分です。二度洗いをして、十分に菌を洗い流しましょう。
清潔さの面から、固形石けんよりも液体石けんを使うことをおすすめします。
※写真はイメージ
食中毒は家庭でも発生するリスクはあります。
特にカンピロバクターは少量の菌でも発症するため、「新鮮だから大丈夫だろう」と軽く見てはいけません。
食中毒について正しい知識を身につけたうえで、適切な予防策を心掛けましょう。
[文・構成/grape編集部]