「ほんで30(歳)を超えたら、子宮摘出手術をすると」
日本の少子高齢化対策をめぐる私見が批判を浴びた、作家で日本保守党の代表・百田尚樹氏(68)。問題視されたのは、11月8日に生配信されたYouTubeチャンネル『ニュースあさ8時!』に出演した際の発言だ。
日本保守党の事務総長を務めるジャーナリスト・有本香氏(62)が、動画内で「子供を産むっていうことには時間制限があるってことを、やっぱり本当に子供たちに教えるべきだとは思います」とコメント。すると百田氏は冒頭のように述べ、有本氏が「やめなさい、コラ」と制止。だが百田氏は「いや、これSFやで」と、冗談めかしていた。
この他にも「女性はもう18歳から大学に行かさない」「25歳を超えて結婚独身の場合は、生涯結婚できない法律にするとかね」といった極端な例を挙げ、社会構造が変化していく必要性を訴えていた。
いっぽう百田氏はこれらの発言について「むちゃくちゃな出す案の1つとして」「小説のSFと考えて下さいよ」と前置きしていたが、ニュースなどで取り上げられると“女性蔑視では”と厳しい声が噴出。相次ぐ批判を受けて、百田氏は9日に更新したXでこう釈明していた。
《「やってはいけないこと」 「あくまでSF」 という前置きをくどいくらい言った上での「ディストピア的喩え」ではありましたが、 私の表現のドギツさは否めないものがありました。 不快に思われた人に謝罪します》
百田氏は翌10日に名古屋市で行った街頭演説だけでなく、11日の記者会見でも自らの発言を撤回し謝罪。「女性の出産年齢に対する意識改革は難しいという、反語的表現も含めてしゃべった」と、釈明していた。
同党は10月27日投開票の衆議院選挙で、3議席を獲得。比例代表全11ブロックの総得票数の割合が全国の有効票の2%に達し、公職選挙法が定める政党要件を満たして国政政党となった。
自らの“失言”を謝罪した百田氏だが、党を率いる代表者であるだけに他党議員からも冷ややかな視線が注がれているようだ。自民党の和田政宗参議院議員(50)が百田氏をバッサリ批判し、SNSで支持を集めている。
■百田氏の発言に自民議員がバッサリ「人生やり直した方がいい」
和田氏は、12日に生配信されたYouTubeのニュース解説番組『ニッポンジャーナル』にゲスト出演。百田氏の失言騒動について見解を問われると、「百田氏の女性蔑視というものが、そのまま本音で出たっていうことだと思います」とキッパリ。「女性蔑視」と記したフリップを掲げたまま、こう続けた。
「SFだとか妄想だとか、よく『これは冗談やで』みたいな感じで言うんですけれども、その後にいわゆる真意を言ってますんで。だからSFで済まされることではないですし、SF作家の皆さまからもすごく批判されてますよね。『SFをバカにするな』とうように」
不妊治療の支援拡充に取り組んできた和田氏は、百田氏の発言の問題点について「例えば、子宮頸がんで子宮を全摘しなくてはならない方もいらっしゃるわけですよ」と指摘。その上で、百田氏を猛批判したのだった。
「そういったことを考えた時に、これ、こんな発言にはならない。いわゆる政党代表であり、それなりの作家さんでしょ? だから私ね、人生やり直した方がいいと思いますよ、百田さんは。こんな発言をして、女性がどういう風に思うのかっていうことを本当にわかってたら、こんなことやらないですし」
和田氏は今年2月に百田氏が女性議員をデートに誘ったとしてSNSを騒がせていたことにも苦言を呈し、「国政政党になっているわけですから、作家でもその発言は許せるかっていうようなところはあるわけではありますけども、その人の人格がそのまんま出たっていうことじゃないですかね」とコメント。自らも不妊治療によって子供を授かった経験から、「本当に当事者としても怒りを覚える」とバッサリ。
また、これまでの百田氏の発言についても「今まで嘘とかデマを吹聴してきて」「説明がつかないまま、“我々は保守です”と言って」と指摘し、「我々、保守勢力からすると非常に迷惑ですよね」と嫌悪感を示していた。
和田氏の発言を切り取った動画はXで拡散され、賛同する声が相次いでいる。
《和田さん正論》《和田議員の言葉にすべてが詰まってる》《和田政宗議員がキチンと言ってくれて胸のつかえが取れました》《女性蔑視 人生やり直せ 保守層に対して迷惑 その通りだと思う》