ジェット旅客機のエンジンの中心部に、「渦巻き」のようなマークが白で描かれていることがあります。これにはどういった意味があるのでしょうか。
ジェット旅客機のエンジンの中心部に、渦巻きのようなマークが白く描かれていることがあります。これにはどういった意味があるのでしょうか。
えっ…旅客機のエンジン中心部に「白いグルグル模様」が描かれて…の画像はこちら >>「渦巻き」が描かれた旅客機のエンジン(乗りものニュース編集部撮影)。
この理由についてANA(全日空)は、「エンジンが回転しているのを確認するため」と公式サイトで説明しています。特に夜間や暗いところにおいて、白い模様は目視で把握しやすいことから、エンジンの動作確認に役立っているのだとか。また、動作確認のほか、稼働中のエンジンに近付きすぎたことによる事故を防ぐ効果も期待できます。
もうひとつの効果は、鳥がエンジンに吸い込まれてしまうアクシデント「バードストライク」を防止するためというもの。飛行中、エンジンが高速回転した際の渦の動きが、鳥の警戒心を誘い、エンジンに近付きにくくするともされています。
これについて航空機エンジンメーカーは、科学的な根拠がないと見解を出していることもある一方で、海外メディアでは過去に、ANAがボーイング767と747、計26機のエンジン中央部に模様を描いて1年間運航した結果を報道。ここには、模様が描かれなかったエンジンは平均9羽の鳥が衝突したのに対し、描かれたものは平均1羽にとどまったという実験結果を報じています。
ちなみに、この模様を描くのは必須ではないことから、模様がないエンジンを持つ機種や航空会社も存在します。模様についても、必ずしも渦巻きというわけではなく、なかには、棒線が引かれているものや、記号のコンマ(,)状のものも確認できます。