“伝統的酒造り”が無形文化遺産へ!老舗酒蔵からも喜びの声「世界的組織での発信に期待」

麹を使って日本酒や焼酎などを造る日本の伝統的酒造りが、ユネスコの無形文化遺産に登録されることになりました。新潟市の酒蔵からは期待の声が上がっています。

麹を使ってコメなどの原料を発酵させ、日本酒や焼酎を製造する「伝統的酒造り」。

文化庁は11月5日、この日本古来の伝統技術をユネスコの評価機関が無形文化遺産に登録するよう勧告したと発表しました。

各地の気候や風土に合わせて代々発展を続けてきた日本古来の技術ですが、今やその酒造りは世界からも注目されています。

【今代司酒造 経営企画部 中島恵美子シニアマネージャー】
「引き込みといって、蒸したコメに種麹をふりかけて広げている。このあと布で包んで保温する」

日本酒造の重要な行程“麹造り”が行われていたのは、新潟市中央区にある老舗酒蔵です。

こちらの酒蔵には、日本酒について学ぼうと年間5000人以上の外国人観光客が訪れているといいます。

【今代司酒造 岡田龍 社長】
「ユネスコという世界的な組織で、それがさらに色んな言語で現地の方にわかりやすく発信されることが期待できると思う」

海外からの評価が高まる一方で、国内消費の低下や作り手の高齢化や人不足など、近年、課題も多くある日本酒業界。

岡田代表は無形文化遺産への登録が日本人にとっても伝統的酒造りの価値を再認識する機会になってほしいと期待を寄せています。さらに…

【今代司酒造 岡田龍 社長】
「今回、“伝統的酒造り”という、日本酒そのものではなくて、造り全体の文化というところでいくと、コメを作るところから、お酒を造って飲むところも含めての価値だと思うので、コメの作り手も徐々に増えていくことを期待している」

無形文化遺産への登録は12月2日からパラグアイで開かれるユネスコ政府間委員会で正式に決まる見通しです。

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