ダニによって引き起こされる、犬の皮膚感染症、『疥癬(かいせん)』。
この病気は激しい痒みを引き起こし、発疹が出たり、掻くことによって脱毛したりすることがあります。
また、長い間放置されると皮膚が厚くなり、色が変わることもあるそうです。
2024年7月、アメリカのミズーリ州の路上でうろついていた犬が、親切な人によって保護されました。
そのオス犬は疥癬のために全身のほとんどの毛がなく、皮膚は石のようになっていたのだそう。
その痛々しい外見からは、もはや何の犬種かも分からない状態でした。
※画像はFacebook上で閲覧できます。
動物保護団体『ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス』に預けられた犬は、ライカンくんと名付けられました。
スタッフたちはこれまでに疥癬を患う多くの犬を見てきましたが、ライカンくんの症状のひどさに驚いたのだとか。
獣医師によると、これほどひどくなるまでには数か月はかかるとのこと。つまりライカンくんはそんなに長い間、痒みや不快感に苦しんでいたのです。
スタッフがライカンくんに薬用入浴をさせた時、水が皮膚への刺激になって痛みに悲鳴を上げていたそう。
それにもかかわらず、ライカンくんは感染予防のために手袋をはめたスタッフに触れられるのを喜んでいたといいます。
体を手で優しくなでられて、愛されることを欲していたのです。
2週間ほど薬用入浴を続けた結果、ライカンくんの疥癬は人に感染する恐れはなくなりました。
最初にライカンくんを『ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス』に連れて来たトッド・ウィテカー(Todd Whiteaker)さんが、仮里親としてライカンくんを引き取ったのだそう。
それから約2か月後、トッドさんの献身的な世話の甲斐あって、ライカンくんは見違えるような姿になりました!
再び毛が生えてきて、心身ともにすっかり健康になったライカンくんの犬種はシベリアンハスキーでした。
このライカンくんの変貌には、喜びの声が上がっています。
・こんなに美しい犬だったなんて!
・信じられないほどハンサムな犬だ!同じ犬に見えないよ。
・幸せそうに笑っているね。
・嬉しくて涙が出た。幸せになるんだよ。
投稿には「里親になりたい」というコメントも多く寄せられていますので、ライカンくんに家族ができるのは時間の問題でしょう。
ライカンくんは保護された時からとても人懐っこくて、明らかに愛情を求めていたそうです。
『ストレイ・レスキュー・オブ・セントルイス』は当時のライカンくんについて、「この犬が耐えてきた終わりのない孤独と痛みを考えると、私たちの心は張り裂けそうになります」とつづっています。
長い間、体の痒みや痛みに加えて、孤独とも闘ってきたと思われるライカンくん。
これからは家族にたっぷりと愛されて、幸せに過ごしていけるように願わずにいられません。
[文・構成/grape編集部]