メキシコと友好関係にある御宿町で2日、この時期に同国で行われる「死者の日」の祭りをテーマにしたイベントが開かれた。オレンジ色の花などでカラフルに飾り付けした会場では、ラテン風の音楽に合わせたダンスエクササイズや、抱腹絶倒のパントマイムの芸なども披露され、参加者らは明るく陽気に亡き人への思いをはせた。
日本のお盆に当たる「死者の日」は、亡くなった人の魂が現世に戻ってくることを祝う日。発起人の1人で同町の野菜農家、三成桂さん(46)が「(同国と同町の間で)史実にも残るエピソードがあり、姉妹都市にもなっている。もっとメキシコをイメージした催しがあってもいいのでは」と、6年前に初開催した。
この日は、月の沙漠記念館前広場で開催する予定だったが雨のため、最明寺近くの御宿ホールで実施。地域おこし協力隊と芝浦工大(東京)の学生がコラボレーションした祭壇「オフレンダ」が設置され、タコスや牛骨スープなどのメキシコ料理の出店もあり、イベントを盛り上げた。
奇抜な骸骨のフェースペインティングをしたいすみ市の小学2年生、山浦綾香さん(7)は、自身が写った写真を目にし「ちょっと怖かったが、今は楽しい」と、家族と一緒にはしゃいでいた。
江戸時代初期の1609年9月、スペイン領フィリピン総督の任期を終えたドン・ロドリゴらを乗せメキシコへ向かっていた船「サン・フランシスコ号」が、御宿沖で嵐に遭い難破。岩和田地区の住民らが救助に当たり、300人以上の命を救った。この史実から御宿は日墨(メキシコ)交流の発祥の地といわれる。