カナダの航空機メーカー、ボンバルディアが「エコジェット研究プロジェクト」と銘打った新たな研究を進めています。この機は主翼を機体と一体化させた形状が特徴。その研究状況はどうなのでしょうか。
カナダの航空機メーカー、ボンバルディアが「エコジェット研究プロジェクト」と銘打った新たな研究を進めています。この機は主翼と機体を一体化させた「ブレンデッドウィングボディ（Blended Wing Body、全翼機）」に近い形状が採用されたビジネスジェットで、これまでの民間機とは一線を画すデザインとなっています。これにより、どのような効果がある期待されるのでしょうか。
大手航空機メーカーが手掛ける「型破りな未来のビジネスジェット…の画像はこちら >>ボンバルディア「エコジェット」のイメージ（ボンバルディアの公式動画より）。
この機体の大きな特徴は、効率の良いフライトによる二酸化炭素排出量の削減です。胴体はこれまでのジェット機よりも平べったい形をしており、エンジンは胴体後方上部に2基設置されています。同社によると、この「翼が溶け込んだ」胴体形状を採用することで、胴体がより多くの揚力を生み出し、より小さな翼で飛べることになり、結果として抗力が低減するとのこと。これにより燃料消費量が削減され、二酸化炭素排出量が削減されるといいます。
現時点で同社は「エコジェット」を実用化させるという方針は打ち出してはいないものの、大学などの研究機関などとの提携を進め、プロトタイプ（試作機）を製作し、実現可能性を模索する方針です。
この研究は2022年に始まり、2023年10月には18ft（約5.5m）の試作機を作成し、実際にフライトに挑む様子が公式YouTubeで紹介されています。