気がつけば、早朝のひとり試写の劇場で、スタンディングオベーションをしていた。
音楽音痴の私には、技術的なことは、とんと分からず、指揮者グスターボ・ドゥダメルの名声も知らなかったが、音が全ての理屈を超えて心臓を貫いてくる。何がすごいのか分からないけれど、クラシックなんて私には一番縁のない音楽だけれど、涙が止まらない！
南米ベネズエラ発祥の音楽教育「エル・システマ」は、犯罪や困難から守ろうと貧困層の子どもたちを中心に結成された音楽プログラム。
自らもその出身であるドゥダメルは、世界的に認められた後も、彼の背中を追う子どもたちのことを忘れない。ベネズエラの政情不安で、彼らとの演奏を禁止されたドゥダメルが信じる「全ての花が刈られようとも、春はまたやって来る」を一緒に信じ、願いたい。（スターシアターズ・榮慶子）
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