沖縄県警は29日、今年9月末時点の特殊詐欺の被害認知件数(暫定値)が82件あり、昨年1年間の48件を上回ったと発表した。昨年同時期は28件で3倍近く増加しており、被害総額は約1億3330万円に上る。県警は金融機関や他県警と連携を強化するなどし、摘発に努めている。
県警組織犯罪対策課によると、被害認知件数の82件の内訳はおれおれ詐欺24件、架空料金請求詐欺20件、還付金詐欺13件、預貯金詐欺12件と続く。特に警察官を装い、指定の口座に現金を振り込ませるおれおれ詐欺と、役所職員などを名乗って高齢者から直接キャッシュカードをだまし取る預貯金詐欺が急増しているという。
県警は9月20日、迅速な捜査や顧客の被害未然防止のため、金融機関6行とホットラインを設置。その結果、預貯金詐欺事件の被疑者2人を逮捕した。
9月末時点の検挙人数は過去5年で最多の10人で、うち6人が少年だった。5月には、おれおれ詐欺に関わったとして、高校1年の男子生徒が逮捕された。
ほかにも闇バイトが疑われるような事件や、連絡手段として匿名性の高い通信アプリ「シグナル」を使用していた事件もあり、県警が捜査を進めている。(社会部・玉那覇長輝)特殊詐欺、沖縄県内で82件 今年9月末時点 昨年同期比で3倍…の画像はこちら >>