2024年10月28日、東京都港区にある東京プリンスホテルで開催された、『東京ドラマアウォード2024』。
作品の質の高さだけではなく、市場性、商業性にスポットを当て『世界に見せたい日本のドラマ』をコンセプトに、世界水準で海外に売れる可能性が高いテレビドラマを表彰しています。
主演男優賞は『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』(NHK)に出演した草彅剛さん、助演男優賞は『アンメット ある脳外科医の日記』(フジテレビ系)に出演した若葉竜也さんが表彰されました。
助演女優賞を受賞したのは、『燕は戻ってこない』(NHK)に出演した内田有紀さん。
喜びの気持ちを語る前に、「この空気を吸いたいと思います」と、壇上で深呼吸をしました。
そして、「助演女優賞という言葉を感じております。助けて演じること、この意味ってなんだと思われますか」と、司会で脚本家の三谷幸喜さんに振った内田さん。
しかし、この後の台本チェックに忙しかった三谷さんは半ば聞いていなかったようで、内田さんは思わず「聞いてますか?」とツッコミを入れます。
三谷さんの胸を借りて受賞の喜びを語るつもりが、想定外の展開になってしまったようです。
内田さんは、続けてこのように語りました。
本当に主役の石橋静河ちゃんはじめ、現場のスタッフ一丸となって作り上げた『燕は戻ってこない』という代理出産をテーマにしたドラマでした。
血や骨や肉、すべてこの私が演じた女性に染み込ませなければ向き合いきれなかった作品だと思っております。
そして、桐野夏生さんが書かれた原作は、どのキャラクターも人として決して美化せずに、そのまま感情をむき出しにした姿を描いてくださった、非常にリアリティのある作品でした。
読むのと演じるのとでは随分違っているなと、私自身、最初は不安に思ったり悩んだりもしました。
でも、監督の田中健二さん、それからプロデューサーの方々、脚本の長田育恵さん、スタッフの方々、みなさん心強く私を支えてくださって、揺れながら、呼吸しながら、日々撮影に向き合えたと思っています。
そして今日、この素敵な賞をいただけて、改めてこの賞をいただけるように、これからも自分がこの役とともに寄り添って生きていける女優であるように、俳優であるように、一歩一歩大切に進んでいきたいと思います。
改めて、この賞をいただけたことで、信じてスタッフのみなさんと今日来れたこと、認めていただけたんだなと感じています。
そして、それを評価してくださったみなさん、本当にどうもありがとうございました。
主演女優賞に輝いたのは、同作品に出演した石橋静河さん。
受賞の喜びをあらわにしました。
今回、私は大石理紀という、貧困だったり社会格差だったり差別だったり、そういうものに苦しむ女性を演じたんですけれども、この作品の中で、そういう理紀をかわいそうな人という小さな枠に収めない描き方をされていて、それがすごく私は好きでした。
この原作を書いてくださった桐野夏生さん、ドラマ化するにあたって、素晴らしい役者が、身体が思わず動いてしまうような脚本を書いてくださった長田さん、スタッフ、キャストのみなさん。
本当に素晴らしい方々で、感謝しています。最後に、この企画を立ち上げから最後まで引っ張ってくださった板垣麻衣子プロデューサーに感謝申し上げたいと思います。
grapeでは、ほかにも草彅剛さん、若葉竜也さん、正門良規さんのコメントを紹介しています。
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[文・構成/grape編集部]