「リニア中央新幹線」開業に向けて進む工事ですが、解決すべき問題があります。
進む地盤沈下や想定外のもろい地質 「水問題」だけじゃないリニ…の画像はこちら >>
岐阜でのリニア工事を巡っては、瑞浪市大湫町のトンネル工事の現場周辺で、井戸やため池の水位低下や地盤沈下が確認されています。このため、JR東海はことし5月から工事を中断しています。
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10月29日、岐阜県庁で開かれた7回目の環境影響評価審査会。ことし8月末時点で2.4センチと、最も沈下していた場所を10月21日に改めて計測したところ、約2か月で2.5センチさらに沈下。4.9センチになっていたということで、地盤沈下がその後も進んでいることが報告されました。
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トンネル工事現場から500メートルほどのところにある大内さんの自宅でも、ことし7月ごろから敷地の一部が2センチほど沈み、コンクリートにひびが入りました。10月に入って新たにドアが閉まりにくくなる不具合も起きているといいます。
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JR東海は、9月から大湫町の家屋や公共施設などの調査を実施。大内さん宅にも調査が入りました。(大内延男さん)「あんまり心配はしていないが、調査をしてもらった方が安心。これから(工事が)進行してどういう変化が出るか出ないかが問題」
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詳細な調査結果は今後報告されるとみられますが、JR東海は、現在のところ地盤沈下とトンネル掘削工事の因果関係については「不明」「工事で地下水が抜けた影響の可能性は否定できない」との考えを示しています。
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工事は岐阜だけでなく各地で遅れが出ています。愛知県春日井市の西尾工区で行っているトンネル工事では、掘削を進める中で、想定になかったもろい地質が見つかったことが原因で、施工方法を見直し、より慎重に掘削を進めています。
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このため当初は9月には工事を終える予定でしたが、工期を約5年半延ばし、2030年1月末に終える予定に変更しました。
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他にも長野県や山梨県の新駅の建設工事や、神奈川県での橋の工事など沿線各地で、当初の開業目標としていた2027年を超える工期が設定されています。