【西表島=竹富】 西表島最西端の船浮集落にある竹富町立船浮小中学校(山城篤校長、児童生徒4人)で20日、創立100周年記念式典・祝賀会が開かれた。住民や卒業生、かつての教員など、県内外から約100人が集まり、学びやの節目を祝った。(八重山支局・矢野悠希)
約40人が暮らす船浮は、隣の白浜集落までは船が唯一の交通手段で「陸の孤島」とも呼ばれる。
同校は1924年に「船浮部落学校」として開校。過去には廃校の危機もあったが、ことし創立100年を迎えた。校門のそばには記念碑が新たに設置され、前泊正人町長らがこの日にテープカットしてお披露目された。
式典では小学6年時に石垣市内から転入した中学2年の砂川麗(うるは)さん(14)が生徒を代表してあいさつ。船浮での初めての運動会を振り返り「大きい学校では保護者は自分の子どもを応援するが、ここでは地域みんなで僕たちを応援してくれる。ここで優しくしてもらったように、困っている人を助けられる人間になりたい」と語った。
同校の100周年記念事業期成会の池田卓会長(45)は「集落が元気であっても学校が続いていくことは当たり前ではない。船浮に学校があることがどんなにありがたいことか」と謝辞を述べた。期成会から同校へ草刈り機や洋式トイレなどが寄贈された。
祝賀会の余興では児童生徒と参加者で行進曲ダンスを踊ったほか、婦人部による船浮の伝統舞踊「石の屏風」、歌手である池田会長の弾き語りが披露された。
30年前に同校で勤務していた浦添市の宮城若子さん(57)は「70周年記念の時に、なぜか集落みんなでグラウンドを70周走った」と懐かしんだ。卒業生で現在は名古屋市に住む桃原由勝さん(48)は「いつも古里を思っています。また帰って来たい」と目を細めた。船が唯一の交通手段 「陸の孤島」の小中学校、100周年を10…の画像はこちら >>
創立100周年を記念して建てられた記念碑の前で笑顔を見せる船浮小中学校の全児童生徒