東京11区・下村博文氏が落選確実 10期連続ならず「最初から厳しい戦い」「応援していただいた方には申し訳ない」

衆院選の投開票が27日行われ、東京11区(板橋区)では無所属の下村博文氏が落選確実に。10期連続当選とはならなかった。
午後8時、NHKで開票速報が始まって早々に落選が報じられると、事務所で中継を見届けていた15人ほどの陣営関係者からはため息が漏れた。
同18分、会場に姿を現し「どうもすみませんね」と集まった支援者と固い握手を交わした。「せっかく皆さんには全力で応援していただいたにもかかわらず、私の不徳にいたすところでございます」と陳謝。「党員資格停止を受けた中での無所属での戦いでありましたから、最初から厳しい戦いではありました。選挙のずっと前から私のために大変なお力をいただいたにも関わらず、今回のような結果になってしまったこと、恩返しできなかったこと申し訳なく思います。本当に申し訳ありませんでした」と謝罪した。「応援していただいた方には申し訳なく思います。結果が全てだと思います」と敗戦を認めた。
共産党機関紙が非公認議員に対して2000万円を支給したと報道したことには「ものすごくマイナスになりました」と怒りをあらわに。それでも「もう一度原点から自分も自民党も生まれ変わるという思いをもって、政治改革をしていく必要がある。とにかく国民の皆さんの信頼回復のためにあらゆることをすべき」と前を向いた。今後については「まずは一人一人に応援していただいた方に丁寧にお礼を言いたい」と強調。会見開始から10分後には、足早に会場を後にした。
下村氏は旧安倍派に所属し、文教族の看板議員だった。しかし今回は「政治とカネ」、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)問題という2つの問題で、初めて無所属での出馬に。派閥裏金問題よる不記載額は476万円で、第一声の際には「これだけ不信感を買ってしまったということについては道義的責任がある」と謝罪。1円単位での情報開示と選挙前に不記載額を党本部に全額寄付したことを報告した。
過去の9連勝も楽な戦いばかりではなかった。民主党ブームが起きた2009年の衆院選では、新党日本の有田芳生氏に3474票差で競り勝った。その時の逆風を思い出すかのように、今回の選挙も街頭演説をして浸透を図ったが、当選はならなかった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする