27日に投開票された衆院選の愛知1区では、政治団体「日本保守党」の河村たかし氏(75)が悲願の国政復帰を決めた。
午後8時過ぎ、当選確実の一報が伝えられると、支持者から「たかし! たかし!」の拍手とコールが巻き起こった。名古屋市長を4期の途中まで15年半務めた圧倒的な知名度。「選挙モンスター」の異名は、やはりダテではなかった。
名古屋市の路上に止めたトレーラー上の舞台に姿を現した河村氏は、支援者からバケツに入った水をかけられ、喜びをあらわに。「国民の皆さんにどえりゃあ味方がおることがはっきりした」と語り、市長として取り組んできた減税や給与削減の実績に自負をにじませた。
公示2週間前に出馬表明し、電光石火で選挙戦を制した。報道陣から意気込みを問われ「言うことを言う政党をつくる」「応援して、期待してほしい」と強調した。
日本新党公認で初当選した93年以降、衆院選での当選は今回が6回目。09年に名古屋市長へ転身したが、今回の衆院選は「総理アゲイン」の野望を胸に秘めた、国政再チャレンジの場でもあった。
選挙で推薦を受ける日本保守党は昨年10月に作家・百田尚樹氏(68)が代表となり設立。河村氏が共同代表として手を組んだ。同党にとっては、国会で初の議席獲得。21年の東京五輪直後にソフトボール日本代表投手の表敬訪問で金メダルをかじって日本中の批判を浴びた“お騒がせ男”でもある河村氏が、党とともに国政で存在感を見せる。