東京7区・丸川珠代氏が0秒落選 連日の号泣謝罪も届かず

東京7区では開票直後に自民・丸川珠代元五輪相(53)の落選が確実となった。立憲の元職・松尾明弘氏(49)に大きく引き離され、参議院からのくら替えは失敗に。党派閥裏金事件で戒告処分を受け、公認は得られたものの比例代表の重複が認められなかったため、比例復活はない。一方、裏金問題の中心である安倍派の「5人衆」は、悲喜こもごもの結果となった。
午後8時の開票直後、東京7区のライバル・松尾氏の当確報道が丸川氏選挙事務所(東京・港区)のテレビに流れた。この時点で、事務所に用意された支援者・関係者用のパイプ椅子40席は8席しか埋まっておらず、閑散としていた。
裏金の代償は大きかった。元アナウンサーで閣僚経験者、07年の参議院初当選から当選3回。抜群の知名度と実績を誇り、参院からくら替え出馬したが、自民裏金問題を巡る大逆風選挙の象徴のひとりとなってしまった。
822万円を政治資金収支報告書に記載せず、処分を受けた丸川氏にとっては比例復活もない苦しい選挙戦だった。応援に入った地元区議は「処分が急だった」と同情するが、くら替えで地域への根付きが足りない中で逆境をはね返すことはできなかった。
選挙戦は謝罪と涙から始まり、選挙戦中には「今回私は小選挙区一本勝負ですのでどうかお助けください」と涙ながらに乞う場面もあった。選挙戦最終日の26日には石破茂首相(67)も応援に入ったが、ライバルの背中は想像以上に遠かった。
一方で、徹底したステルス選挙活動を展開。演説日程は公示日と石破氏が入った最終日以外は、報道にも一般にもほとんど公開されなかった。16日に安倍晋三元首相の夫人・昭恵さん(62)が駆けつけた応援演説も、現地・初台の商店街にビラが貼ってあっただけ。裏金追及やヤジを恐れたステルス選挙活動は、おわび行脚にもならなかった。
無党派が多い都市部選挙区で“会いに行けない候補者”作戦は完全に裏目に出た。公示日から安倍元首相の遺志を継ぐということもアピールしていたが、どこまで“安倍色”が響いたかは疑問が残る。調整が間に合わず公明の推薦を得られなかったことも支持拡大への壁となった。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする