ドライバーが車から離れたわずか3分の隙に配送中のロレックス172本(2億8245万円相当)を車ごと盗み、5カ月間、逃亡を続けていた男2人が、それぞれ大阪市内の別のラブホテルに潜伏しているところを捜査員に見つかり、身柄を確保された。
大阪市中央区で5月21日、ロレックス172本を積んだ軽ワゴン車が盗まれた事件で、府警捜査3課は21日、職業不詳でいずれも指示役とみられる森北健二(55)、尾崎明彦(39)両容疑者を窃盗容疑で逮捕した。これで事件の逮捕者は5人となった。
現場付近の防犯カメラの映像には、男らが軽ワゴン車内からロレックスが入ったジュラルミンケース5箱を犯行車両に移し替える様子が写っていた。
■ナンバープレートを複数枚所有
「犯行に使われた車両は何度も名義変更が行われ、犯行グループのメンバーとは別の名義になっていた。ヤツらはナンバープレートを何枚も持っていて、あらかじめ防犯カメラに写ることを見越して盗難車のナンバープレートをつけて犯行に及んでいた」(捜査事情通)
グループ最年長の森北容疑者が事件の計画を立て、車両の手配やメンバーを選別。16日に公開手配され、出頭した自称、アルバイトの村田徹容疑者(52)が実行役のリーダー格だった。
森北容疑者は20年ほど前、仲間十数人と1年半にわたり、大阪、兵庫、和歌山でメンバーを替えながら空き巣や自動車盗、車上狙いを繰り返し、2億3000万円余りを奪った。2009年には借金返済に困り、パチンコ店で店員をテープで縛り、金庫から約1000万円を奪った。
一方の村田容疑者も09年~15年4月にかけ、男女十数人のグループで大阪、兵庫で自動車盗、車上狙いで約1億円を奪い、盗難車で全国各地を回り、盗品のカーナビをリサイクルショップに売り飛ばして生活していた。時計店で消火器をブチまき、ショーケースを割って宝石を奪ったこともあった。
「2人とも手口が荒っぽく、手慣れているが、どちらかというと森北は自ら計画を立てて仲間を誘い、村田はおいしい話に乗っかるタイプです。共にその道のプロで、計画的かつ入念に準備していたことがうかがわれる」(捜査事情通)
森北容疑者も村田容疑者もかつては盗んだ金で派手な生活を送っていたようだが、生活保護をもらっていたというから、背に腹は代えられなかったのか。