ロレックス172本窃盗犯の公開手配から3時間弱…実行役のリーダー格がスピード出頭の裏事情

「公開手配されている。出頭したい」
10月16日午後7時50分、実行役のリーダー格の男は逃亡先の新潟県妙高市の公衆電話から110番し、駆け付けた警察官に身柄を確保された。
今年5月、大阪市の路上で配送中のロレックス172本(2億8374万円相当)を軽ワゴン車ごと盗んだとして、山口組弘道会傘下組員の男ら2人が15日、窃盗容疑で逮捕された。府警は2人に指示を出したとみられる村田徹容疑者(52)の逮捕状を取り、16日午後5時、公開手配に踏み切った。それからわずか2時間50分後の「スピード出頭」だった。
「警察官が本人を見つけ声を掛けると、『村田徹です』と名乗ったため、所持していたマイナンバーカードで顔と名前と生年月日を確認。指名手配中の男だったことから任意同行を求め、午後8時33分に逮捕した。携帯電話は持っていなかった」(捜査関係者)
自ら出頭した村田容疑者は2016年、自動車盗や車上狙いを300件以上繰り返したとして窃盗罪などで起訴され、6年間ほど服役していた。出所後もロクに働かず、生活保護を受けていた。そんな中での犯行だった。
■10人以上が事件に関与の可能性
日本ロレックス社は商品を正規代理店へ配達するため、配送業者と契約。その地区を担当する60代の女性運転手が1人で配達を任されていた。犯行は軽ワゴン車が他の会社から預かった荷物を降ろすため、別の配送先に立ち寄り、運転手が車から離れたわずか3分の隙をついた。村田容疑者はロレックスと契約を結んでいる業者の車を特定。いつ、どこに、どのルートで配達されるか知っていた。
「『えらい早う出頭してきたな』いう印象や。公開手配されたし、もう逃げ切られへんから、上のもんに『出頭せえ』言われたんかもしれへん。組織としたら、なんでそんな詳しい情報を知っとったんか、入手先がバレたらマズい。パクられた3人以外にも盗品の運び屋、処分屋、情報漏洩者、収集屋ら事件に関わっているのは10人以上おる。村田を差し出して黙秘させたまま、捜査の収束を図ろうとしとるんかもしれん」(捜査事情通)
盗まれたロレックスの大半は見つかっていない。このままトカゲの尻尾切りで終わるのか。

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