戦車“ドローン対策用の鳥かご”いらなくなる!?「トップアタック」対応版の保護システムが公開

戦車の弱点を克服か?
装甲車両の保護システムなどを開発している防衛企業ユーロトロフィーGmbHは2024年10月9日、歩兵携行式の戦車兵器などから戦車を守るアクティブ保護システム (APS)「トロフィー」の強化型を発表しました。
戦車“ドローン対策用の鳥かご”いらなくなる!?「トップアタッ…の画像はこちら >>「コープケージ(鳥かご)」を装備したイスラエル軍のメルカバ戦車(画像:イスラエル国防軍)。
トロフィーは、敵の対戦車兵器から発射されたロケット弾やミサイルをレーダーで感知し、散弾を発射して撃ち落とす防衛システムです。
ユーロトロフィーが今回強化したトロフィーは、主に戦車の車体上部を狙う「トップアタック」に対する対策が施されているようです。
2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻では、ウクライナ軍が「トップアタック」を多用しています。これは、歩兵携帯式の対戦車ミサイル「ジャベリン」や自爆ドローンで、装甲の薄い戦車の車体上部を狙う方法で、多数の車両を撃破しています。ロシア軍も同様に、自爆ドローンによるトップアタックでアメリカやドイツが供与した戦車を撃破したことがあります。
そのため両軍の戦車に、車体上部を守る金網製の屋根「コープケージ(鳥かご)」を付けているケースも珍しくありません。
これまでトロフィーは、車体正面や側面などの攻撃に対しての迎撃性能は高いことが証明されていましたが、上部への攻撃に対しては弱点でした。今回の改良型はその弱点を克服し、実戦を想定したテストで、上からの自爆ドローンや主要な対戦車兵器での攻撃から保護することに成功したとのことです。
なお、ソフトウェアのアップグレードのみでこの改良型トロフィーにすることが可能とのことで、迎撃に必要なセンサーやシステムは既存のものを引き続き使用できるようです。

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