「糸魚川市に糸魚川はない」SNSの投稿に驚きの声!市民にとっては「当たり前」も…なぜ“糸魚川”が地名に?

「新潟県糸魚川市に糸魚川はない」そんな投稿がSNSで話題となっています。市民にとっては身近すぎて考えてもみなかったその真相を取材しました。
【Xへの投稿】「最近聞いてわりとびっくりしたこと…新潟県糸魚川市に糸魚川という川はありません」こちらは9月に地図情報などを提供する会社・ゼンリンが発信したものです。地理に詳しい会社の「糸魚川が流れているものだとずっと思っていた」というつぶやきに「な、なんだってー!?」「糸魚川が存在しないなんて…」と、驚きの声が多く寄せられ、10月11日までに2万件以上の“いいね”がつきました。この事実について市民に聞いてみると…【糸魚川市民】「(Q.糸魚川なのに糸魚川という川がない)ああ、ないですね」【糸魚川市民】「当たり前。ここに嫁に来たときから考えたことないね。糸魚川は読みづらいというのはあったけど」【糸魚川市民】「学生時代とか、よく『糸魚川に糸魚川という川があるんだよね?』と聞かれた」【記者リポート】「こちら糸魚川市全体の地図ですが、確かに探してみると、姫川・能生川などはありますが、糸魚川という川は見当たりません。また、街の名前で探してみても、糸魚川はありません」
どこにもない糸魚川という名前。だとすればなぜこのような名前になったのか…真相を調べるため、糸魚川市役所を訪ねました。【糸魚川市文化振興課 小池悠介 学芸員】「(投稿は)職場の中でも話題にはなっていた」反響の大きさに驚くのは、文化振興課の学芸員・小池悠介さんです。70年以上前、「糸魚川町」時代の史料を見てみると…【糸魚川市文化振興課 小池悠介 学芸員】「名称の起源は不明ということで…」なんと、名称については“起源不明”という文字が!それでも史料を読み解くと、起源には「弘法大師が竹管に糸を巻いて川に投げたら魚となったから」という説や「対立する軍がこの地で挑みあい“いどみ川”から転じた」という説など諸説あると話す小池さん。中でも…【糸魚川市文化振興課 小池悠介 学芸員】「よく聞くのは、イトヨが住んでいるというところからの“糸魚川”」糸の魚と書く川魚“イトヨ”。かつて、この地域に多く生息していたとされ、2005年まで使われた市章のモチーフともなっていました。結局、真相は不明な糸魚川の由来。【糸魚川市文化振興課 小池悠介 学芸員】「糸魚川を知らない方も多くいるかと思う。今回こういうふうに話題になり、糸魚川を知っていただいて、来ていただけるとうれしい」
ちなみに県内には関川村もありますが、実はこちらも村内に“関川”という川はありません。村によりますと、1954年に当時の関谷村と女川村が合併し、それぞれの名前を取って「関川村」となったということです。身近な地名も由来を調べてみると新たな発見があるかもしれません。

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