キリン、フードロス削減と地域の特産果実を届ける「氷結 mottainai プロジェクト」 – 第2弾は高知県産ぽんかん

キリンホールディングスは、2024年5月より規格外になってしまった「モッタイナイ果実」をおいしいチューハイにするプロジェクト「氷結mottainaiプロジェクト」を開始。第1弾では「キリン 氷結 mottainai 浜なし(期間限定)」を発売し、10月22日には第2弾となる「キリン 氷結mottainai ぽんかん(期間限定)」が登場する。

10月7日に都内で行われた「氷結mottainaiプロジェクト活動報告&新商品ぽんかん発表会」では、第1弾の活動報告や第2弾「キリン 氷結mottainai ぽんかん(期間限定)」の特徴について説明した。

○■氷結mottainaiプロジェクトとは?

「氷結mottainaiプロジェクト」では、おいしいのに規格の問題で青果販売として出荷されない、加工品にもできず廃棄されてしまう「モッタイナイ果実」を、おいしいチューハイとして有効活用するというもの。フードロス削減への貢献や地域の特産果実の全国展開にくわえ、売上1本につき1円を果実農家へ寄付することで、持続的な発展の支援も行っている。

キリンビール マーケティング部 「氷結」ブランドマネージャー 加藤 麻里子氏は「果実農家の皆さまとはパートナーとして、氷結や果実生産の発展につながる仕組みの構築、また『社会に貢献するチューハイ』がお客さまにとって新しい選択肢の一つになり、RTD市場の活性化を実現していきます。手軽においしく取り入れられるお酒で、社会課題をより身近に感じてもらうきっかけになれば」と本プロジェクトの目的について説明。

第1弾の「キリン 氷結 mottainai 浜なし(期間限定)」では、浜なしのフードロス削減量が約3万4000個、浜なし発売前の3年間発売した氷結限定商品において出荷実績1位という結果に。さらに、酒類業界初となる消費者庁・環境省主催「食品ロス削減推進表彰」の「審査委員長賞」も受賞した。
○■第2弾は、高知県産のぽんかんを使用

10月22日には、第2弾「キリン 氷結mottainai ぽんかん(期間限定)」が登場する。南国を思わせる香り、ジューシーな甘酸っぱさが特長の高知県産ぽんかんを使用。フードロス削減は、約20万個、販売数量約18万ケース(350ml×24本換算)、販売によるぽんかん農家への寄付金額は約400万円を目標としている。

発表会後半では、生産者も登場し、「キリン 氷結mottainai ぽんかん(期間限定)」完成までの流れや想いについてトークセッションが行われた。

リモートで参加したぽんかん農家の千光士尚史さんは「ぽんかんは、皮をむいた時の香りと濃厚な味わい、ジューシーでぷりっとした食感が特徴です。特に、高知県産は南国を思わせるようなオリエンタルな香り」とぽんかんの特徴について説明。

高知県の気候風土に適しているぽんかんだが、冬場の収穫時期に暖かい雨が降ってしまうと果実の表面が茶色くなったり、陥没してしまうそう。「2023年12月中旬も暖かい雨の影響によって、全体の20%が規格外になってしまい、出荷できなくなってしまった」と千光士さん。

氷結mottainaiは、こうした状況を受け、フードロス削減に繋がることに加えて、全国各地の美味しい果物の美味しさを届けることを目的としている。

キリンビール マーケティング部 アシスタントブランドマネージャー 山岡加菜氏は「高知県産ぽんかんが、コロナや気候変動の影響によって、多くの廃棄が発生しているということを聞いて、氷結で何かお力になれないかなと思いました。また、氷結は柑橘系と相性が良いのですが、過去にぽんかんを使用したことがなかったので興味を持ちました」と第2弾に高知県産ぽんかんを選んだ理由について話す。

昨年12月には、実際に農家で初めてぽんかんを食べたそうで「皮をむいた瞬間に果実の爽やかさがはじけました。ジューシーで率直にすごく美味しいなと。これは氷結にしたら、間違いなく美味しいなと思いました」と山岡氏。

同プロジェクトでは、果実を決める前に、生産者とMTGを行い、果実の美味しさや課題、なぜ廃棄されてしまうのかをヒアリング。今回も理解を深めたうえで、ぽんかんに決定したという。

千光士さんは「行き場のない規格外のぽんかんを活用することは産地でも課題でした。キリンさんと話をしていくうちに、ぽんかんのためにこのプロジェクトがあるんじゃないかなと。実現できるとなったときは嬉しかったです」と高知県産のぽんかんに決定した際の想いを話す。

高知県農業協同組合の竹内さんも「私もとても嬉しかったです。このプロジェクト自体、私がJAに入ってやりたかったことです。生産者と消費者をつなぐ架け橋であると思いました」と話す。

第1弾から開発を担当している、キリンビール マーケティング部 商品開発研究所 中味開発グループ 佐藤良子氏は「皮をむいたときに感じられるオリエンタルな香りをしっかり表現しました。果肉のジューシーさを表現しつつ、氷結らしくスッキリ飲めるように仕上がっていると思います。千光士さんの農家に行かせていただいたり、高知県産ぽんかんの情報を集めたり、理解を深めながら作っていきました」と味わいの特長について話す。

完成した「キリン 氷結mottainai ぽんかん(期間限定)」を飲んだ感想について「大切に育てたぽんかんの香りや味がしっかり感じられて、これを全国の方に飲んでいただけるというのが嬉しいです」と千光士さん。竹内さんも「飲んだ瞬間、ぽんかん畑が目に浮かびました」と笑顔を見せた。

最後に山岡氏は「たくさんの方にご協力をいただいて、第2弾も自信のある商品ができました。色々な世代の方に飲んでいただきたいです。また、手に取っていただいたお客さまが『モッタイナイ果実』の存在や農家さんの想いを感じてもらえたら嬉しいです」とアピールした。

同社では、カテゴリーや企業の垣根を超えた取り組みを次年度以降に企画中。「氷結mottainaiプロジェクト」は、第3弾以降も継続的に発売予定で、2027年には「モッタイナイ果実」年間150tの削減を目指している。

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