ラニーニャ現象の特徴すでに出現 秋雨と台風シーズン 11月に…の画像はこちら >>
先月9月10日の気象庁の発表によると、太平洋赤道域の海面水温は、西部で平年より高く、東部で平年より低くなっており、ラニーニャ現象の特徴に近づきつつある、とのことでした。大気の状況も、すでにラニーニャ現象の特徴が出現しているといえそうです。10月は秋雨と台風シーズンが続く見込みです。11月に入ると急に寒くなり、12月は師走らしい寒さでしょう。
ラニーニャ現象の特徴すでに出現
ラニーニャ現象とは、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて海面水温が平年より低くなり、その状態が1年程度続く現象です。ラニーニャ現象が発生している時には、太平洋赤道域で、東風が平常時よりも強くなり、西部に暖かい海水がより厚く蓄積する一方、東部では冷たい水の湧き上がりが平常時より強くなります。ラニーニャ現象発生時は、インドネシア近海の海上では積乱雲がいっそう盛んに発生します。先月9月10日の気象庁の発表によると、太平洋赤道域の海面水温は、西部で平年より高く、東部で平年より低くなっており、ラニーニャ現象の特徴に近づきつつある、とのことでした。上の図は大気の状況です。インド洋熱帯域の東部やインドネシア付近で対流活動が活発な青色になっています。一方、太平洋赤道域の中部、東部では対流活動が不活発なオレンジ色になっています。これは、ラニーニャ現象発生時の秋の特徴です。海洋だけでなく、大気の状況も、すでにラニーニャ現象の特徴が出現しているといえそうです。
関東など太平洋側を中心に秋雨前線の影響を受けやすい 本格的な雨も
11月に入る頃にかけて、太平洋高気圧の東への後退は遅い見込みです。関東など太平洋側の地域を中心に、秋雨前線や低気圧の影響を受けやすい時期があるでしょう。雨が降る日が数日続くことがある見込みです。この秋の間にラニーニャ現象が発生するかはまだわかりませんが、大気の状況は、ラニーニャ現象発生時の秋の特徴です。インド洋熱帯域やインドネシア付近の対流活動が活発になる影響で、太平洋高気圧の縁を回って湿った空気が流れ込みやすい見込みです。関東など太平洋側を中心に、秋晴れになる日が少ない地域があるばかりか、本格的な雨になることもあるでしょう。
台風シーズンまだ続く
現在、南の海上は対流活動が比較的不活発になっており、近々台風など熱帯擾乱が次々に発生することはなさそうです。ただ、気になるのは、今日5日、マリアナ諸島近海にまとまった雲があり、低気圧性の風の流れもあります。これが熱帯低気圧の発生となるかはわかりませんが、南の海上は、今後、次第に対流活動がやや活発になる見込みです。対流活動がやや活発な状態は、11月に入る頃にかけて続くでしょう。アメリカ海洋大気庁によると、10月中旬を過ぎる頃にかけて、南の海上で、台風など熱帯擾乱が発生する確率が高くなっています。台風シーズンはまだ続くとみられます。これから発生する台風は、本州付近に停滞する秋雨前線の活動を活発にする可能性もあります。たとえ台風が接近することがなくても、大雨のリスクが高まることも考えられます。秋雨と台風シーズンです。日頃からハザードマップで、避難経路を確認しておくなど、備えをしておくとよいでしょう。
今年の冬の訪れは?
11月に入ると、たとえこの頃までにラニーニャ現象が発生していないとしても、大気の状況は、まさにラニーニャ現象発生時の晩秋の特徴です。インド洋熱帯域の西部では対流活動は不活発になり、インドネシア付近で対流活動が活発な状態が続くでしょう。熱帯の状況に対応して、ユーラシア大陸南部では、高気圧が強まり、偏西風が北へ偏る見込みです。偏西風は、日本付近では南へ蛇行しやすいでしょう。アリューシャン低気圧が日本に近い所で発達しやすこともあり、西日本や東日本を中心に西高東低の気圧配置になる時期がある見込みです。西回りで寒気が流れ込みやすいでしょう。九州から関東を中心に冷たい北風が吹きやすくなる見込みです。11月に入ると急に寒くなり、12月は師走らしい寒さでしょう。