なだ万、「北陸4県フェア」で被災地の生産者を応援 – 北陸新幹線の延伸開業の影響は?

日本料理店の老舗「なだ万」は、富山県・石川県・福井県・新潟県の食材を使用したコース料理とお弁当を販売する『北陸4県フェア』を開催。10月1日から10月31日には全国のなだ万厨房ショップ41店舗となだ万の通販サイトで特別弁当を、10月23日からは全国のレストラン19店舗で特別コースを販売する。

なだ万オリジナルイベント「都道府県別 産直フェア」として開催される今回の『北陸4県フェア』。9月26日に行われたメディア試食発表会に参加した。
○■売り上げの一部を石川県に寄付

国内外へ日本料理文化のさらなる魅力を発信することを目的に、2018年よりシリーズ展開しているなだ万の「都道府県別産直フェア」。
日本料理文化を盛り上げるだけでなく、地域活性化にもつながる取り組みとして、本フェアではなだ万の総料理長らが日本各地を巡り、吟味した地域の食材を用いた料理が提供されてきた。

今回で10回目の開催を迎える『北陸4県フェア』では、自然豊かで美味しい食材が豊富な新潟県・富山県・石川県・福井県の食材をふんだんに使用。レストランでは特別コースの料理を、なだ万厨房ではオリジナルの特別弁当を用意する。

本会の冒頭、株式会社なだ万取締役事業統括・平林茂氏は主催者挨拶で、令和6年能登半島地震での被災者への復興支援の一環として、「北陸4県フェア」の売り上げの一部を石川県に義援金として寄付することを紹介。

来賓として本会に参列した北陸4県の代表者からもそれぞれに挨拶があり、令和6年能登半島地震などを踏まえ、本フェアの関係者への謝意や期待を述べた。

「北陸4県フェアが開催されること自体が、農林水産物にまつわる生産者の方々、地域の方々の大きな励みになると感じています」とは、新潟県東京事務所所長の渡辺慎一氏。

「米どころ、酒どころで知られている新潟県は、広い県土に豊かな自然に育まれた農林水産物が非常に多くありますが、地産地消というかたちで県民だけが食している物も少なくありません。そうした食材も吟味していただき、今回のフェアで取り扱っていただいております」(渡辺氏)

続けて富山県首都圏本部本部長・飯田裕氏は、「富山県も能登半島地震で多くの被害が発生してしまい、復旧・復興に現在努めているところです」と述べ、次のように地域の魅力をアピールした。

「3000m級の山々からなる立山連峰と水深1000mの富山湾がある富山県は、4000mの標高差があり、そうした変化に富んだ複雑な地形で育った伝統的な産品も多くございます。今年3月の北陸新幹線の延伸開業で、首都圏からのアクセスも向上しました。ぜひ北陸の地にも足を運んでいただければと思います」
○■特別弁当「北陸4県味めぐり」も期間限定販売

石川県東京事務所所長の中谷安孝氏は、「能登半島地震により農林水産業に甚大な被害が発生し、先日の記録的な大雨では被災地が再び被害に遭ってしまいました。能登の創造的復興なくして石川県の発展はあり得ないという強い意志を持ち、県として復旧・復興に取り組んでまいります」と挨拶。

被災地の復旧・復興に向けて、「地域の食材を買っていただくこと、食べていただくことが被災した生産者の応援につながります。たくさんの方に本フェアへ足をお運びいただき、石川県の食材の魅力、北陸の魅力を存分に感じていただければと思います」と、呼びかけた。

また、福井県東京事務所所長・萩原雅広氏は、北陸新幹線の福井・敦賀駅が今年3月16日に延伸開業した影響について触れ、本フェアへの期待を語っていた。

「この6ヶ月間の統計データでは、関東地域からの来県者は前年同期比で約4割増、信越地域からは前年同期比8割増となっております。別のアンケートで来県目的として最上位に挙がるのが「福井の食を楽しみたい」といったものでした。福井県ではこれまで首都圏はじめ、関西圏等で飲食店、ホテル、スーパーなどで食材フェアを開催してきましたが、今回のフェアでも福井自慢の食材を数多く採用していただいております」

なだ万の調理本部総料理長・上村哲也氏は、北陸4県の食材や特産品をアレンジしたレストランの特別コースやなだ万厨房で提供する特別弁当を提供する本フェアについて説明した。

「6月から福井県・石川県・富山県・新潟県の順に伺い、各県の生産者の皆様からもいろいろなご提案をいただきました。できる限り地元の食材、特産品を入れながら納得のいくコースが実現できたと思います」

10月23日~11月30日の期間、全国19店舗の「なだ万レストラン」で提供される 「北陸4県」特別コースは2種類。10,000円コース(税込11,000円、別途サービス料)と16,000円(税込17,600円、別途サービス料)のコースがあり、2つの特別コースにあわせて選定された4県の日本酒も楽しめる。

本試食会では富山県産「富富富」の新米を使った釜炊御飯と福井県産の大野里芋おやき、石川県産の甘海老を使った料理や、新潟のアロニアベリージャムを添えた富山県・八尾のミルクジェラートなども供された。

また、全国41店舗の「なだ万厨房」となだ万オフィシャルホームページの通販サイトでは、特別弁当「北陸4県味めぐり」(2,700円)を10月1日から10月31日までの期間限定で販売。

こちらの特別弁当でも、石川県富来(とぎ)漁港内で育った西海サーモンの味噌祐庵焼や、富山県の花びら茸、福井県のへしこちりめん、新潟県のこしいぶき新米御飯など、4県の食材をふんだんに用いている。

石川県の郷土料理である鶏の治部煮や能登豚を使った料理など、北陸4県のおいしい食材が詰め込まれたお弁当となっているので、ぜひこの機会に味わってみては。

伊藤綾 いとうりょう 1988年生まれ道東出身、大学でミニコミ誌や商業誌のライターに。SPA! やサイゾー、キャリコネニュース、東洋経済オンラインなどでも執筆中。いろんな識者のお話をうかがったり、イベントにお邪魔したりするのが好き。毎月1日どこかで誰かと何かしら映画を観て飲む集会を開催 @tsuitachiii この著者の記事一覧はこちら

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