昭和のオジサン世代が熱狂した「スーパーカーライト」を初めて採用したバイクは?


1970年代に巻き起こったスーパーカーブームでは、ランボルギーニやフェラーリなどの「リトラクタブル・ヘッドライト」に全国の少年たちが魅了されました。ジュニア用の自転車にも登場したこのカラクリ、実はバイクにもありましたが、最初に搭載したモデルをご存じですか?

ヒント:スズキの「3型カタナ」ではありません

ちょっとバイクに詳しい人ならスズキの「GSX750S3」が思いつくかもしれませんが、実はそれより1年早く登場したホンダのスクーターです。

――正解は次のページで!


○問題をおさらい!

正解はこちら!

○【答え】ホンダ「スペイシー125 ストライカー」

正解はホンダ「スペイシー125 ストライカー」でした!

「スペイシー125 ストライカー」は1983年に登場したホンダの125ccスクーターです。前年に発売となった「スペイシー50/80」の流れをくむ近未来的なデザインですが、フロントカウルには二輪車初の電動式「リトラクタブル・ヘッドライト」を装備していました。

このカラクリだけでもインパクトは強烈ですが、実は「スペイシー125 ストライカー」の特長はそれだけではありません。当時のスクーターはパワーとコストを両立する2ストロークエンジンを採用していましたが、クリーンで静粛性が高く、かつ耐久性も高い水冷4ストローク124ccエンジンを初めて搭載したのがこのモデルでした。

また、ラジエターの放熱を利用してライダーの足元に温風を送るシステムや、デジタル液晶の速度計と各種インジケーターを備えたメーターパネル、油圧ダンパー付きサスペンションといった先進装備も満載。当時は最大排気量のハイエンド・スクーターとして、サルーンのように上質な乗り味を目指したというわけです。

このコンセプトは翌年に登場した最上級モデルの「スペイシー250 フリーウェイ」や「フュージョン」にも受け継がれます。スクーターが単なる生活の足ではなくなり、オートバイのようにツーリングもこなす「ビッグスクーター」というジャンルも確立していきました。

しかし、バイクではリトラクタブル・ヘッドライトの人気がイマイチだったためか、これを採用したのは「ストライカー」のみで、「フリーウェイ」以降の「スペイシー・シリーズ」ではヘッドライトが固定式になりました。

当時の125ccスクーターは“オジサンの乗り物”というイメージが強かったせいか、いくら子供の頃に憧れたリトラクタブル・ヘッドライトでも「ストライカー」は若者受けしなかったようです。しかし、その世代がオジサンになった現在、すっかり希少車となった「ストライカー」を見かけると、ついつい目を奪われてしまいます。

それでは、次回をお楽しみに!

津原リョウ 二輪・四輪、IT、家電などの商品企画や広告・デザイン全般に従事するクリエイター。エンジンOHからON/OFFサーキット走行、長距離キャンプツーリングまでバイク遊びは一通り経験し、1950年代のBMWから最新スポーツまで数多く試乗。印象的だったバイクは「MVアグスタ F4」と「Kawasaki KX500」。 この著者の記事一覧はこちら

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする