リクルートは9月27日、「児童手当」についての調査結果を発表した。調査は2024年6月19日~6月26日、「ゼクシィ Baby」会員の2歳以下の子どもを持つママと、3カ月~10カ月の妊婦、計3,812名を対象にインターネットで行われた。
○児童手当の拡充は2人目、3人目の後押しになる?
2024年10月1日より児童手当は、所得制限撤廃、対象年齢の延長、第3子増額などの拡充が行われる。これらの拡充をママたちはどう受け止めているのか、アンケートが実施された。また、今受け取っている児童手当をどのように使用しているかもリサーチした。
10月から行われる児童手当の拡充が2人目、3人目以降の子供をもつことに対して後押しになるのか、2歳以下の子どもを持つママと3カ月~10カ月の妊婦2,615名に調査したところ、2人目、3人目共に「後押しにならない」が最も高い結果となった。特に3人目は「後押しになる」8.9%に対し「後押しにならない」36.8%と、4倍以上という結果に。一方で2人目は「どちらかといえば後押しになる」が拮抗しており、2人目の方がポジティブにとらえる人が多い結果に。2人目と3人目に対するハードルの高さの違いが結果にも表れたようだ。
そしてQ1で2人目について「どちらかといえば後押しにならない」「後押しにならない」と回答した人へ、「2人目の後押しになる」と感じられる金額はいくらか聞くと、3歳未満、3歳以上いずれの年齢でも3万円以上、5万円以上が高くなった。現状(3歳未満1.5万円、3歳以上1万円)と希望の乖離は大きいようだ。
○児童手当拡充に関するコメント
回答者のコメントを詳しくみていくと、「後押しになる」「どちらかというと後押しになる」と答えた人からは、「やっぱり育児はお金がかかるので、手当が増えると安心につながります」「今まで所得制限で児童手当がもらえませんでしたが、制限がなくなるだけでも大きいです」「劇的な効果はないけれど、いただけるのであれば将来の学資保険に回せて備えになり、子供をたくさん産むことへの金銭的不安が多少は軽減されそう」「もらえる金額が増えるのは後押しになるけれど、給料は上がらないのに物価高はハイペースなので悩むところ」などの声が寄せられた。
「どちらともいえない」と答えた人からは、「金銭面では後押しになりますが、体力や仕事、そのほかの環境が整っていないと不安」「高校生まで手当が増え、年6回の支給はありがたいです。ただ、第3子以降増額されたとしてもまかなえないので、安心して2、3人目を産めるという考えには至りません」といった意見が寄せられている。
「どちらかというと後押しにならない」「後押しにならない」と答えた人からは、「お金をもらえるから産もう!と後押しにはなりません。保育園から呼び出しがあったときの会社の対応、周りの対応がもっと理解ある働きやすい環境になって欲しいです」「高校生まで拡充はうれしいけれど、結局3人以上産まないとダメみたいな感じがして嫌」「共働きで、経済状況への不安などから第2子までが限界。第3子を持つことはお金の不安の解決だけでは考えられません。手当だけでなく扶養など制度全体で見直してもらい、仕事との両立ができるような社会にならないと」といった意見が寄せられた。
○今の児童手当の使い道は?
今受け取っている児童手当をどのように使用しているかについて、2歳以下の子どもを持つママ1,197名に聞いた。児童手当の振込口座は「父親の個人口座」が過半数を占める結果に。子供用に貯蓄口座を開設したと回答したのは約12%だった。児童手当の使い道については「子供のための貯蓄」が過半数と最も多い結果だった。次いで多いのは「生活費」で、「親の口座を登録したため生活費と一緒になった」というコメントが多くみられた。
○いまの児童手当の使い道に関するママたちのコメント
児童手当の使い道について、ママたちの声を詳しくみていくと、「貯蓄(子供)」と答えた人からは「将来独り立ちする際にまとまった額を渡せるように、子供用の口座を作って毎月貯蓄しています」「現在は子供の口座に貯蓄しています。今後はその預金の一部をNISAで運用していく予定です」との声が。「生活費」と答えた人からは、「特に分けて管理していないので生活費に。子供のための費用は、児童手当とは別に確保しています」「物価高で、自分たちのお給料じゃ足りず児童手当も使用しています。子供たちにはいろんなものを食べさせたい!」との声が集まった。
他にも、「おむつや幼稚園用品など、子供にかかる費用に使っています」「家族の貯蓄用口座にためています。貯蓄の中から子供の教育費も出せればいいなと思っています」「将来の進路選びで困ることがないように、毎月の児童手当は学資保険代に充てています」などの回答がみられた。