30日午後5時時点で、日本列島の南海上には“2つの台風”があります。
1つは、台風17号「チェービー」。この後、速度を上げながら北上し、あす10月1日（火）午後3時には、千葉県銚子市の南南東の海上へ進んだ後、本州から北海道の東海上を北上する進む見込みです。
台風17号は、「上陸の可能性は低く、比較的コンパクト」です。
台風18号「クラトーン」急速発達し九州・沖縄に影響か 離れた…の画像はこちら >>
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千葉県や茨城県にかなり近づく見込みですが、関東で暴風の可能性はほとんどありません。伊豆諸島・小笠原諸島で警報級の大雨になるおそれがありますが、千葉県や茨城県では雨は降っても警報級ではないとみられます。
台風17号は2日（水）には、北海道の東海上まで進む見込みです。この頃には「温帯低気圧」に変わる見込みですが、中心気圧が992hPaまで低い状態が続き、海上は風が強く吹くおそれがあります。
もう1つの、台風18号「クラトーン」は「大型で非常に強い」台風です。9月29日（日）午前9時には985hPaだったのが、24時間後に50hPa下がり、急速に発達しました。
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【9月30日（月）午後3時】場所:バシー海峡中心気圧:935hPa進行速度・速さ:西北西10㎞中心付近の最大風速:50ｍ最大瞬間風速:70ｍ【10月1日（火）午後3時（予報）】場所:南シナ海中心気圧:925hPa進行速度・速さ:西北西ゆっくり中心付近の最大風速:50m最大瞬間風速:70ｍ【2日（水）午後3時（予報）】場所:南シナ海中心気圧:935hPa進行速度・速さ:北北東ゆっくり中心付近の最大風速:50ｍ最大瞬間風速:70ｍ【3日（木）午後3時（予報）】場所:沖縄の南中心気圧:980hPa進行速度・速さ:北東15㎞中心付近の最大風速:30ｍ最大瞬間風速:40ｍ【4日（金）午後3時（予報）】場所:東シナ海中心気圧:985hPa進行速度・速さ:北北東15㎞中心付近の最大風速:25ｍ最大瞬間風速:35ｍ【5日（土）午前9時（予報）】場所:東シナ海中心気圧:994hPa進行速度・速さ:北北東ゆっくり中心付近の最大風速:20ｍ最大瞬間風速:30ｍ
【画像で見る】台風進路予想・この先の雨風シミュレーション
台風18号は台湾に上陸した後、3日（木）に中心気圧が高くなり、急速に弱まる見込みです。これは、台湾に上陸すると、台風のエネルギーになる水蒸気を補給できなくなるだけでなく、北上するとやや乾燥したエリアに近づくためです。ただ、それでも台風としての勢力を保っているため、風への警戒は必要です。沖縄の先島諸島だけでなく、沖縄本島も風速15m以上の強風域にはいりそうです。
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現時点の予想では、九州・奄美地方なども風が強まる恐れがあります。沖縄本島の西側で動きが鈍くなるときには、中心気圧は980hPa～994hPaと、勢力を弱める見込みです。ただ、進路によっては勢力をここまで落とさない可能性もあります。
発達を維持するにはいくつか条件があります。その1つが「海面水温」です。
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海面水温27℃以上の海の上を通ると、台風としての勢力を維持するほか、日本に影響を与える可能性が高いルートは、予報円の最も東側を通るルートです。沖縄本島（那覇）に近づくと、海面水温が1℃高い28℃位のエリアをやや長く通ります。
その場合は、予報円の真ん中を通った場合より、エネルギーを得やすくなるほか、接近もします。東シナ海上空には現在、乾燥空気のエリアもあるため、発達の「ピーク」は越える可能性が高いですが、念のため今後の進路だけでなく、どれだけ勢力を維持して北上するのか？などの情報にも注意してください。
現時点では、5日（土）にかけて、沖縄・奄美・長崎県で波浪警報が出る可能性があるほか、先島諸島で大雨警報のおそれがあると、気象庁から発表されています。予報円の真ん中を通ったとしても、秋雨前線を刺激し雨が強まるおそれがあります。
スーパーコンピュータのシミュレーション通り、台風が日本海へ進んだとすれば、海面水温が低いため、台風としての勢力は保つことができないとみられます。ただ、湿った空気は流れ込みますので、これが雨の“もと”。まとまった雨になる可能性も。
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特に、先日の大雨で被害があった石川県の能登半島では少しの雨でも影響が大きくなる可能性があり、ことし1月の大地震で地盤が緩んでいる状態が続いています。現在、石川県で警報級の大雨は予想されていませんが、引き続き最新情報をとるようにしてください。（気象予報士 桜沢信司）