経営危機…新潟県立病院 過去最大“約42億円”の赤字見通し 病床削減など機能・規模の適正化へ

経営が危機的な状況にある新潟県立病院について、今年度は過去最大、約42億円の赤字となる見通しで、県は来年度末までに病床を減らすなど病院の機能・規模の適正化を図る方針を示しました。
9月18日、県庁で開かれた県立病院経営委員会。この会議の冒頭で金井病院局長が報告したのは…【県病院局 金井健一 局長】「今年度の当初予算案では、過去最大の約43億円の赤字を計上していて、来年度末には内部留保資金も枯渇が見込まれるといった危機的な状況となっております」赤字が続く県立病院の経営状況についてです。今年度の決算見込みで赤字は42億円にのぼり、来年度末には内部留保資金の残高が枯渇する見通しで、県は集中的に改革を進める方針を示しました。
【県の担当者】「抜本的改革については大きく2つ。機能・規模の適正化、運営体制等のあり方の見直しということ」県が示した改革方針では、来年4月から新発田市にあるリウマチセンターの病床数を半減させた上で、同じ建物内にある新発田病院に統合。村上市の坂町病院も病床を20床減らす考えです。これにより、3億2000万円程度の収支の改善を見込んでいます。
また、来年度末までに指定管理化した加茂病院と燕市の吉田病院を除く病院の機能や規模の見直し方針を決定し、速やかに実施したい考えです。【県病院局 金井健一 局長】「機能強化をしっかりやっていきたい。マイナス面だけではない」規模の適正化とともに、中核病院の機能を強化し、収益性を向上させるとする県。薬品の調達方法や様々な契約の見直しなども行い、今後5年以内を目途に繰入金の適正化を図るとしていますが、そのスピード感に出席した委員からは懸念の声もあがります。【県立病院経営委員会 染矢俊幸 委員長】「もう少しスピード感を持った取り組みが必要ではないか」また、委員からは改革案に対し、経営面について専門家の視点を入れることや職員の意識改革が必要といった意見が出されたといいます。【県病院局 金井健一 局長】「様々なことを広範・多岐にわたって取り組めば、必ずや持続可能な医療提供というのは成し得る」県は今回の委員会で出た意見を取りまとめ、今年度中に新たな対策を示す方針です。

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