救急救命士の『本音』に反響 実際の出来事に「そんな人がいるのか」「知らなかった…」

急病や事故などの際に、駆け付ける救急車。多くの人が「いざという時には119番通報をする」と、頭の中に入れているでしょう。
ただ、近年では『不要不急の通報』が相次いでいることが、たびたび問題になっています。
救急救命士として働く、たたら(@QQpickm)さんは、実際にあった出来事をもとに『救急救命士の本音』をXに投稿。
多くの人から「考えさせられる」という声が寄せられました。
たたらさんが担当している地域では、年に100回以上、救急要請する人がいるそうです。
その人は毎回、慢性症状を訴えるだけで、態度も粗暴なため、周辺の病院では『ブラックリスト』に入っているといいます。
しかし、救急救命士は要請があったら駆け付けなければいけません。その理由について、たたらさんはこう伝えています。
要請があるたびに出動し、現場の判断だけでは引き上げられない。
勝手に帰って、万が一にも亡くなってしまった場合、世論の袋叩きに合うからです。
その人に『数時間の対応』を余儀なくされることもあります。
※写真はイメージ
本当に命の危険があるかもしれないため、行動せざるを得ない、救急救命士。
対応している間に、すぐ近くにいる『重症の患者』が、遠方から来る救急車を待っていることもあるそうで、たたらさんはジレンマを抱えているといいます。
そして、こんな本音をこぼしていました。
少なくとも、バイタルサインに異常がなく、明らかな急性症状がない時は、救急隊判断によって引き上げさせてほしい。もっと必要な人の所に駆け付けたいのです。
たたらさんがつづった想いは、Xで拡散され、たくさんの意見が寄せられました。
・救急救命士がこんな苦労をしているとは知らなかった。
・そんな人がいるのですか…。救急車の有料化には反対していたけれど、検討せざるを得ない状況だと思う。
・重症の患者が救急車を待たざるを得ないという現実は深刻。現場判断でもっと優先度をつけられるシステムが必要ですね。
・こういうのを見ると『年3回以上は有償化』とかでいいと思う。
・うちの近所に、ほぼ毎日呼びつけている人がいる。本当に必要とする人のもとに行ってほしい。
近年では、救急車の有料化を検討する案も出てきていて、賛否の意見が上がっています。
不要不急な通報を抑制できる一方で、「有料になることで通報をためらって、命を落とす危険性がある」という懸念点を指摘する声も。
今回意見を投稿した、たたらさんは「今後の救急医療をどうしていくべきかの議論が深まる一助になればありがたい」と語っていました。
ちなみに、救急車を呼ぶか迷った際には、#7119番で『救急安心センター事業』に電話をかけるという手段もあります。
一部地域で実施しているサービスで、救急車を呼んでもいいか判断に迷う時に電話をすれば、専門家が話を聞いて、アドバイスをくれるというものです。
こういったシステムを利用するのも、『本当に必要とする人を救う』ということにつながるでしょう。自分が住んでいる地域で実施しているか、ぜひ確認してみてください。
人間の命に直接関わってくる、救急医療の問題。一人ひとりが、実情を理解して、適切に救急医療を利用することが、何より大切なことなのかもしれません。
[文・構成/grape編集部]

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