那覇市は11日の市議会9月定例会本会議で、自民党総裁選の候補者による演説会を開催するため、那覇文化芸術劇場なはーとを休館日の17日に臨時開館する方向だと明らかにした。市議会野党側からは「行政を私物化している」と批判が上がり、議会は紛糾した。
普久原朝日氏(立憲民主・社民・ニライ)への答弁。普久原氏は「特定の政党のために、税金で運営されている劇場で休館日に開けてまで開催することは行政の公平性から大問題だ」と指摘した。
市の条例で、休館日でも市長の判断で臨時開館できる。条例が適用されるのは、知念覚市長になってから初めて。自民党側から、なはーとでの開催の打診を受け、判断したという。
知念市長は取材に対して、なはーとは政治的な演説会などでも使用できることが大前提とした上で、急きょ決まった日程で、次の総理が決まる社会的に関心が高い演説会だと説明。沖縄問題に思い入れがある政治家が減り、関心を持ってもらう機会になることなどを理由に挙げた。
仮に別の政党で同様の事案が発生した場合でも「同じように開ける」とし、政党に関係なく「次の総理になる人の演説の機会は提供すべきだ。後ろにずらせない日程で、休館だから断ることが今回は成り立たないと判断した」と話した。
(社会部・玉城日向子)市長「次の総理になる人の演説機会は提供すべきだ」 野党「行政…の画像はこちら >>