これは“食べる芸術品”…? ホテル雅叙園東京、パティシエの手しごと冴える珠玉のクリスマスケーキ、予約は10月1日から

緑豊かな目黒に位置し、四季の移ろいと折々の日本美を楽しめる、ホテル雅叙園東京。90年以上の伝統を受け継ぎ、2,500点もの日本画や美術工芸品に彩られた、唯一無二のミュージアムホテルとして知られていますが、毎年話題を集めるクリスマスケーキも、まさに”食べられるアート”。先日の発表会でついにお披露目された、2024年のクリスマスケーキ7種の魅力をレポートします!

○紅白のお重まで美味しいシグニチャーケーキ「玉手箱」

まずご紹介したいのが、紅白の華やかな「玉手箱」。今年は日本の伝統文様・菱紋と水引細工に、ポインセチアや松ぼっくりのモチーフがあしらわれ、より一層 洗練されたビジュアルです。

やや小ぶりな二段のお重は、全てチョコレート製。蓋をあけると、ホテル雅叙園東京のペストリー料理長・生野剛哉さんが28年間作り続けている代表作「シシリアン」をはじめ、人気のプティ・ガトーやチョコレート、焼き菓子、葉山のイチゴ農園「嘉山農園」のイチゴを贅沢に使用した「嘉山農園の苺ショートケーキ」が、宝石のように美しく丁寧に詰められています。かつて「昭和の竜宮城」と謳われたホテルの伝統にインスパイアされた、珠玉の玉手箱です。

○ユニークなフォルムと味わい「ショコラアールグレイ」

まるでオブジェのような独創的なフォルムの「ショコラアールグレイ」。ブラウンとゴールドのカラーリングが、シックでありながらとても華やかで、大人のクリスマスにぴったりですね。

その味わいも、とても魅力的。ツヤツヤなグラッサージュの中にはムースのショコラ、ガナッシュやヌガーにはアールグレイ、そしてオレンジのコンフィがアクセントに添えられ、ひと口ごとに様々な食感と味わいがマリアージュ。ふわーっと鼻に抜ける香りの心地よさが記憶に刻まれました。

「2024年のクリスマスケーキは特に、味わいの変化と“咀嚼”する楽しさにこだわりました」と語っていた生野料理長。今回のラインナップの中では、最も”五感で楽しめるケーキ”と言えそうです。
○他では出会えない和の味わいとハーモニー「ジャポネハーブ・ショコラ」

つい最近までレシピの試行錯誤を続けていた生野料理長が、「スタッフが試食して最も驚いていた」と紹介したのが、苔むす美しい坪庭を思わせる「ジャポネハーブ・ショコラ」です。

ジャポネハーブ”とは、よもぎのこと。生野料理長はまだ駆け出しの頃、春のケーキに用いた経験があったものの、「クリスマスケーキに取り入れたのは今年が初めて」だそう。

ツヤっと美しいグラッサージュショコラの中には、カカオ分の高いチョコレートのムースやチョコレート羊羹に、大納言小豆がアクセントのよもぎのケ―クやコンフィが。思わず緑茶をいただきたくなるような、コクのある味わいが印象的でした。

○「マロンカラマンシー」は柑橘と栗にホワイトチョコレートの軽やかな甘さ

クリームホワイトのケーキ「マロンカラマンシー」は、物語の舞台のような森の雪景色をイメージさせる、とっても愛らしいビジュアル。思わず360度ぐるりとまわして全方向から眺めたくなります。

一見すると濃厚な味わいを感じさせますが、ひとくち食べてびっくり。東南アジアで収穫される柑橘カラマンシーの爽やかな酸味と、こっくりとした栗の濃厚な甘みを、ホワイトチョコレートのムースが絶妙なバランスでまとめていて、とっても軽やか。コーヒーや紅茶はもちろん、シャンパーニュやスパークリングワインと合わせても楽しめそう!

○華やかな深紅が魅力的な「フロマージュ・ルバーブ」

ほぼ赤一色のとっても華やかなビジュアルが、ホリデー気分を一気に盛り上げてくれる「フロマージュ・ルバーブ」。細やかな細工が引き立つモダンなかたちが、おしゃれで美しいケーキです。

イチゴとルバーブは、定番の美味しい組み合わせですが、クリスマスケーキにルバーブを使うのは意外にも初めてだそう。食べ進めていくと、柔らかいムースの中にルバーブのコンポートジュレが現れたり、メレンゲのサクサクとした食感のビスキュイフレーズやムラングアマンドフレーズがアクセントになっていたり、と多彩な美味しさでした。

○素材の良さが実感できる「嘉山農園の苺ショートケーキ」と「シュトーレン」

毎年大人気の苺のショートケーキは、肥料や栽培法にこだわって育てられた、横須賀市長井の「嘉山農園」の苺が主役。甘く濃厚な香りと爽やかな酸味が特徴で、ケーキの箱を開けた瞬間に部屋中に広がるほど。苺に合わせて、スポンジ生地の口どけや生クリームの甘さを調整しているからこその美味しさは、どの年代の方にも喜ばれるはず。

そして「シュトーレン」は、しっとりとした生地に、ドライフルーツのレーズン、チェリー、オレンジピールとアーモンドがたっぷりつまっています。スパイスが効いた生地の中央には、老舗が作るドイツ製最高級のローマジパンを使用。薄くスライスして、ワインを飲みながら少しずつ味わいたい、クリスマスならではの美味しさです。

計算し尽くされた味わいと食感で“食べる悦び”を、さらに美の感性をも刺激する、ミュージアムホテルならではの絶品のケーキたち。ぜひ今年のクリスマスの候補に加えてみてはいかがでしょう。

Naomi アートライター・聞き手・文筆家/取材して伝える人。服作りを学び、スターバックス、採用PR、広報、Webメディアのディレクターを経てフリーランスに。「アート・デザイン・クラフト」「ミュージアム・ギャラリー」「本」「職業」「生活文化」を主なテーマに企画・取材・執筆・編集し、noteやPodcastで発信するほか、ZINEの制作・発行、企業やアートギャラリーなどのオウンドメディアの運用サポート、個人/法人向けの文章講座やアート講座の講師・ファシリテーターとしても活動。学芸員資格も持つ。
https://lit.link/NaomiNN0506 この著者の記事一覧はこちら

■information
「ホテル雅叙園東京」クリスマスケーキ
予約期間:クリスマスケーキ各種は10月1日~12月15日、シュトーレンは12月1日~
予約方法:同館1階のPATISSERIE「栞杏 1928」の店頭、公式サイト、電話にて受付
販売期間:12月20日(金)~25日(水)

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