“Amazon配達員いじめ”と炎上した高級マンション内の警告文 「約2年前から掲示」と管理会社は説明

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「Amazon配達員を虐(いじ)めすぎ」「これは酷い」「明らかな職業差別」──。
3LDKの賃料約45万円という高級マンション内に掲出された「1枚の警告文」が、いまSNS上で炎上している。警告文は建物に出入りするAmazonの宅配業者に対して書かれたものだ。建物の管理会社に事情を聞いた。
8月末、Xの一般ユーザーが写真投稿したのは、東京・渋谷区内の高級マンションに張り出された「Amazon宅配業者へのお知らせ」と表題のついた注意喚起ポスター。
そこには「建物の美観を損なう恐れのある『角バッグ又は籠等』を使っての館内配達は禁止です。損傷の恐れある行為として警察に通報します。 ※防犯カメラ作動中」との記載があり、写真はエントランスのインターホン周辺で撮られたものだ。
投稿者は「Amazon配達員を虐めすぎ」とコメントを添えている。
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この投稿は約1万リポスト、約7万いいね、約1400万回表示されており、「なに様やねん」「配達員に優しくない住宅」「何度読んでも『配達する=美観を損なう』が理解できない」「配達員にドレスコード求める時代になったのか」と、不快感を示すユーザーが続出。
また、現役配達員と思われるアカウントから「配達の仕方が良くなかったりルール守ってないとこうなる事が…」「雨の日はレインコート脱いで入館しろとか、ウーバーだけ入館拒否される建物あります」という解説的コメントも複数上がっており、物議を醸し続けている。
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大量のチラシ投函行為や敷地内での喫煙など、明らかな「迷惑行為」への警告文はよくマンション、アパートでも目にするが、Amazon宅配業者だけに対し“強めの圧”をかけるケースは珍しい。
宅配業者のマナー違反行為が頻発している可能性もある。事情を聞くため、同マンションを管理する東急コミュニティーに取材を申し込んだ。
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取材に応じた東急コミュニティー広報担当者は、「『宅配業者向けのお知らせ』につきましては、配送業者が荷物を配達する際に用いるプラスチックダンボールなどでマンション内の壁紙や床が傷つく事案があり、注意を呼び掛けるために約2年前から掲示していたものです」と、過去に宅配業者がトラブルを起こしていたことを説明。
一方で、今回の炎上騒動を受け改めてポスターの記載内容を確認したところ「注意を促すという趣旨から逸脱した表現があった」とも認めた。
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「掲示はすでに撤去いたしております。今後は、注意を促す際にも掲示内容に十分留意しながら、配送業者の皆様に理解と協力を得てまいりたいと考えております」(東急コミュニティー広報担当)。
警告するに至るまで、一部配達員が館内で問題を起こしていたことは事実だ。しかし令和の時代、それを明文化して貼り出す危険性、言葉選びについては今一度慎重になるべきと感じさせる事案だった。

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