少女が法廷に立ち、性被害を語るのはどれだけ勇気が要ることだったか。発せられる一つ一つの言葉が重く響いた。
昨年12月、16歳未満の少女を誘拐し性的暴行をしたとして、わいせつ目的誘拐と不同意性交の罪に問われた米空軍嘉手納基地所属の兵長の第2回公判が那覇地裁で開かれ、少女が証人として出廷した。
7月の初公判で被告は、少女との性的行為は認めたものの、18歳と認識し、同意があったなどとして、無罪を主張していた。
公判で少女はこれをはっきりと否定した。
自身の年齢を日本語と英語、指を使ったジェスチャーで伝えたと具体的に語った。被告の自宅で暴行された際「やめて」「ストップ」と言い、拒否したとも証言した。
なぜスマホで外部に助けを呼ばなかったかとの被告弁護側の質問に「体が動かず、そういう思考ができなかった」と答えた。恐怖のあまり体が凍り付いて動けなくなったのだろう。
事件後、被害を思い出して眠れず睡眠薬を服用するようになり、感情をコントロールできずに自傷行為をするようになったことも明かした。
少女は被告に「自分の犯した罪の重大さを分かってほしい」と訴えた。
性犯罪は「魂の殺人」と呼ばれ、被害を受けても声を上げるのは並大抵ではない。
だが少女は沈黙せず、声を上げることを選んだ。
被告は30日の尋問で事実を明らかにしてほしい。
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今回、法廷にはついたてが設置され、傍聴席や被告人席から少女が見えないようにして尋問が行われた。
とはいえ、ついたて1枚隔てたすぐ近くに被告がいる状況だった。尋問は5時間を超える長時間にわたった。
近年、証人尋問には法廷と別室を映像と音声でつなぐビデオリンク方式も導入されている。
被害者の精神的負担を減らし、安心して証言できる環境づくりの工夫が求められる。
公判前、被害者の代理人から報道機関に、被害者や家族のプライバシーに関わる情報を報道しないよう要望が寄せられた。
2001年に北谷町で起きた米兵暴行事件では、一部週刊誌による被害女性への中傷報道が過熱し、女性が沖縄弁護士会に人権救済を申し立てた。
少女が二次被害に遭うようなことがあってはならない。
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花を手に性暴力の根絶を訴える「フラワーデモ」が県内外で続いている。
被害者が声を上げることで「同意のない性行為は犯罪である」という認識が広がっている。
デモは抗議と同時に被害者に寄り添う気持ちも示す。
少女は公判で「スクールカウンセラーになって、つらい思いをした子を助けたい」という目標を語った。 少女に伝えたい。
「よく頑張ったね。あなたは独りじゃない」