キリンビール、ジンの新商品『KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香』発売へ

キリンビールは8月27日より新ブランド『KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香(もりのか)』を全国発売する。ジンに欠かせないボタニカル「ジュニパーベリー」を100%使用しているのが特徴で、メインターゲットは30~40代の「甘くないRTDを求める層」。担当者は「まるで森の中で深呼吸をするようなスッキリとした清涼感が楽しめる、甘くないジンソーダになっています」とアピールする。

○■どんな商品になった?

『KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香』は、ジュニパーベリーならではの爽やかな清涼感にレモンとライムが香るジンソーダ。全国で販売する350ml缶の実勢価格は190円前後、500ml缶は263円前後を想定している。アルコール分は7%。

そして同日より『KIRIN Premium GIN 杜の香』(700mlびん)も発売する。価格は3,600円。アルコール分は45%で、炭酸で割る、あるいはトニックウォーターなどでアレンジして飲むことを想定している。こちらはキリン公式オンラインショップ「DRINX」および会員制ビールサービス「ホームタップ」内での限定販売となる。

○■甘くないRTDの需要を狙う

商品の開発背景について、キリンビール マーケティング部の松村孝弘氏が説明した。同氏によればコロナ禍以降、消費者の間には「シンプルなもの」「高品質なもの」「本質的な価値のあるもの」を求める傾向が強まったという。そして「健康意識や食中酒需要の定着から、RTDの味わいに対しても『雑味のない・クリアな味』『甘くない』『食事に合う』期待が高まっています」と松村氏。

RTD市場は右肩上がりで成長を続けており、2023年は2013年比で約2倍の販売規模まで拡大している。キリンは、そのなかで「甘くないRTD」を飲用する消費者は2,500万人以上いると想定。しかしハイボールなど原酒を使ったソーダも飲用する消費者は159万人にとどまっている。松村氏は「原酒ソーダ(ウイスキー、焼酎、ジンなど特徴のある原酒のソーダ割りのこと)は、ユーザー拡大に大きなポテンシャルがあります」と分析する。

そこでキリンビールでは”ポスト ハイボール”としてジンの魅力に着目。国内ジンの販売量(家庭用)はこの10年で2.2倍と増加しており「たくさんの方に飲んでもらえれば、さらに理解・関心を深めてもらえる可能性があります」(松村氏)と期待を寄せる。

『KIRIN Premium ジンソーダ 杜の香』の開発において大事にしたキーワードは「スッキリ甘くない」「本格的・こだわり」「ピュアさ・癒やし」。従来のRTDで消費者が抱きがちな「人工的な味がする」「不純物が入っていそう」というイメージを一掃する、雑味のない高品質な味わいを目指した。2024年の販売目標は約60万ケース(350mlケース換算)。松村氏は「スッキリ甘くない味覚を原酒ソーダユーザー、甘くない嗜好のRTD / 全酒ユーザーに広く訴求して市場定着を図っていきます」と力を込める。

続いてキリンビール マーケティング部の茶木香保里氏は、こだわりの製法について説明する。ポイントとなるのは、素材のこだわり、仕込みのこだわり、蒸留ジンのこだわり。「杜の香」に用いたジュニパーベリーは”西洋杜松(ねず)”と呼ばれる針葉樹の実で、主に東ヨーロッパで収穫されている。スッキリしたジンの特徴香の清涼感があるだけでなく、柑橘類に共通する香味成分も含んでいるのが特徴だ。

そのジュニパーベリーを粗挽き製法することで「複層的な香り」と「清涼感のある味わい」を損なうことなく「雑味のないピュアな味わい」を引き出すことに成功した。

そのうえで熊本県八代市にある「八代不知火蔵」(メルシャン八代工場)において、蒸気吹き込み、浸漬液蒸留法を組み合わせることで「杜の香」らしいフレッシュで清涼感のある味わいを引き出した。

茶木氏は「杜の香」の味覚設計について、以下のように説明している。「口当たりで、ジンならではの清涼感がやってきます。ほのかに柑橘が香り、ジュニパーベリーの森林をイメージする香りも訪れるでしょう。中盤は、炭酸の爽快感。そのあとでジンの原酒からくる飲みごたえのある余韻も出てきます。最後は、柑橘の酸味、スッキリと切れる甘くない後味となります」。

近藤謙太郎 こんどうけんたろう 1977年生まれ、早稲田大学卒業。出版社勤務を経て、フリーランスとして独立。通信業界やデジタル業界を中心に活動しており、最近はスポーツ分野やヘルスケア分野にも出没するように。日本各地、遠方の取材も大好き。趣味はカメラ、旅行、楽器の演奏など。動画の撮影と編集も楽しくなってきた。 この著者の記事一覧はこちら

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