「まさに昭和の亡霊って感じ」戸塚ヨットスクール設立者「体罰は善」主張に批判続出

戸塚ヨットスクールの設立者である戸塚宏氏(83)がYouTubeチャンネルを開設し、体罰について語り、波紋を呼んでいる。
戸塚氏は76年に「オリンピックで通用するような一流のヨットマンを育てる」という理念の下で戸塚ヨットスクールを開校。その後、戸塚氏の指導が非行や不登校の子どもの更生に効果があると報じられたことで注目されるようになった。
しかし、79年から82年にかけて、過度の訓練や体罰が近因で訓練生が死亡・行方不明となる事件が複数発生し、戸塚氏は傷害致死罪、監禁致死罪で起訴され、02年に懲役6年の刑が確定。06年に出所し、現在も同校の校長を務めている。
今回、開設されたYouTubeチャンネルは戸塚氏を支援する2人の青年が運営しており、戸塚氏の意思を後世に残すために始めたという。同チャンネルでは8月8日に、《【戸塚宏】令和の今、体罰を語る》と題した最初の動画が公開された。
動画内で戸塚氏は体罰について、「日本中が初心者じゃない?誰も体罰を何か知らずに『体罰反対』言うとるわな。こんな非科学的な態度でええの?それが子どもに影響して、子どもは非科学的教育を受けるもんで成果が出ない。体罰は『進歩を目的とした有形力の行使』」と持論を展開。
続けて、「本来なら自分で勝手に進歩すればええのに、その能力がまだなかったり、サボってその能力を身につけなかったりした奴はひっぱたきゃ痛い、痛いのはイヤ、イヤだから頑張る。頑張らんとまた次ひっぱたかれるからや。だから進歩する」と述べ、「これが体罰。良いこと。体罰は善なんよ」と主張した。
また、自身の小学校時代は「体罰が当たり前」で、連帯責任で職員からよく体罰を受けていたと明かしたうえで、「ひっぱたいた先生に向かって『ありがとうございました!』って言ったよ」と、笑顔で当時を回想。その理由を「その前にやられた体罰によって自分が進歩したという実感があるんや。結局、後から考えてみたら俺を進歩させるために、あれ体罰やったなと思えるんや」と明かした。
さらに、体罰と暴力の違いについては「目的」と述べ、「暴力は自分の利益のためにやるやろ。体罰はやられる方の利益のためにやるんだ」と断言した。
戸塚氏の体罰に関する見解を聞いた視聴者からは、Xで《まさに昭和の亡霊って感じでした》といった意見が出ているほか、動画のコメント欄にも批判の声が続出している。
《亡くなった方が居るのに体罰は善って…これは何言っても無駄みたいですね。今の時代子供に強く言うことは大事かもしれないけど、戸塚さんがやったことはどう見たって指導じゃなくて暴行です。犯罪を犯した人が何を偉そうに語ってるのか…体罰はどうこう言うよりも被害者や遺族の方に動画を通して改めて謝るべき》《被害者が加害者に成長しちゃうのが、体罰教育の一番の問題点だろ》《戸塚の指導法では、生徒が監視する人がいないと頑張れない、自主性や自律性が欠けた人間になると思う。戸塚は生徒の頑張る動機が「殴られるから」となるように仕向けているが、それでは殴られない環境下では頑張る動機がなくなることになる。殴られるという1つの特殊な状況下だけではなく、どんな状況でも頑張れるように指導するのが教育者として正しい姿なのではないのだろうか》

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