監視委、投資会社グラントの業務停止を大阪地裁に申し立て

証券取引等監視委員会は3日、無登録でファンド商品を販売したとして、投資会社のグラント(大阪市)と代表取締役の奥寺晃司、同社関係者の川田誠ら3氏に対し、金融商品販売など一部業務の緊急差し止め命令を出すよう大阪地方裁判所に申し立てた。
監視委は併せて同日、一般投資家に虚偽の告知をして無登録業者のファンド販売に加担したとして、グラントの関連会社で第二種金融商品取引業者のジースリー(東京・渋谷)に対し、行政処分するよう金融庁に勧告した。
監視委によると、グラントとジースリーは2010年1月ごろから14年5月ごろにかけて100を超える無登録の販売代理店を通じて、約3000人の一般投資家に海外ファンド商品を販売していた。販売額は約52億円に上る。
さらに両社は10年1月ごろから12年5月ごろにかけて、1300人を超える一般投資家に自社で組成・運用するファンド商品も販売していた。集めた出資金額は約50億円。
グラントの役員らは一般投資家から集めた資金を流用した疑いがある。グラントは不特定多数の一般投資家から資金を集めるために必要な第二種金融商品取引業者の登録をしていなかった。運用の実態が判然としないまま、現在も海外ファンド商品などの取得勧誘をしようとしていることから監視委が申し立てに踏み切った。

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