南海トラフ地震臨時情報「巨大地震注意」 取るべき対応は?の画像はこちら >>
気象庁は、きょう8日午後4時43分頃に発生した日向灘を震源とするマグニチュード7.1の地震をうけて、午後7時15分に次の巨大地震に注意を呼びかける「南海トラフ地震臨時情報」(巨大地震注意)を発表しました。気象庁は南海トラフ地震の想定震源域では大規模地震が発生する可能性が普段と比べると高まっているとして、政府や自治体からの情報に応じた防災対応を取るよう呼びかけています。この情報が発表されたのは2019年に運用が始まって以来初めてです。
南海トラフ地震臨時情報とは
「南海トラフ地震臨時情報」は、南海トラフ沿いで異常な現象を観測された場合や地震発生の可能性が相対的に高まっていると評価された場合等に、気象庁から発表される情報です。情報名の後にキーワードが付記され「南海トラフ地震臨時情報(調査中)」等の形で情報発表されます。気象庁は、きょう8日午後4時43分頃に発生した地震をうけて(震源地:日向灘(北緯 31.8度、東経 131.7度)、震源の深さ:約30km地震の規模(マグニチュード):7.1と推定)、南海トラフ地震臨時情報の発出条件に合致したため、今回発生した地震と南海トラフ地震との関連性についての調査をしました。その後、「南海トラフ沿いの地震に関する評価検討会」の臨時会合における調査結果が発表され、3段階の情報のうち、「南海トラフ臨時情報(巨大地震に注意)」という情報が発表されました。この情報が発表されたのは2019年に運用が始まって以来初めてです。この情報が発表された場合は、事前の避難は伴いませんが、日頃からの地震への備えの再確認に加え、地震が発生したらすぐに避難できる準備をしましょう。
九州南部は引き続き余震に注意 南海トラフ想定震源域は備えの再確認を
いま、地震に対して求められる対応は大きく2つあります。一つ目は、今回の地震で揺れの大きかった地域では、引き続き余震による大きな揺れに一週間程度は注意が必要です。二つ目は、別の大規模な地震が南海トラフ巨大地震の想定震源域で起きる可能性が、普段に比べると高まっている点です。気象庁によると、特定の期間中に必ず巨大地震が発生することを伝えるものではありませんが、政府や自治体からの呼びかけに応じた防災対応をとる必要があります。改めて地震への備えを確認しておいてください。南海トラフ沿いでは、1854年の安政東海地震・安政南海地震が約32時間の間隔を置いて発生した事例や、1944年の昭和東南海地震・1946年の昭和南海地震が約2年間の間隔を置いて発生した事例など、時間差で巨大地震が発生した事例が知られています。南海トラフ沿いの8事例の大規模地震のうち、少なくとも5事例は東側・西側の両領域がほぼ同時若しくは時間差をもって破壊しています。世界の事例を見ると、マグニチュード8以上の地震が発生した後に、隣接する領域(震源から50㎞以上500㎞以内)でマグニチュード8クラス以上の地震が発生した事例は、103事例中、7日以内に7事例、3年以内に17事例が知られています。
家の中にある危険を認識する
家具の転倒を防ぐ対策をしましょう。特に、寝室の安全はしっかり確保してください。普段寝ている場所に寝転がり、家具が倒れてきたり、ものが落ちてきたりしないか確かめておきましょう。
ハザードマップや避難場の確認をする
国土交通省や各自治体のホームページなど、インターネットからハザードマップを入手することが可能です。ハザードマップは随時更新されますので、定期的に確認するようにしましょう。ハザードマップを確認して、土砂災害や液状化現象の危険性の高い場所を確認しておきましょう。地盤によって揺れる大きさが変わります。「地震のゆれやすさ全国マップ」を確認して、心づもりをしておきましょう。周辺地域で過去に起きた震災を把握し、危険意識を日頃から持っておくようにしましょう。
非常用グッズの確認をする
万が一に備えた非常用グッズをリュックにまとめておきましょう。非常用グッズの使用期限や消費期限は定期的に確認しましょう。避難時に必要なものは、日頃からリスト化しておくと便利です。地震による停電や通信回線が集中してもいち早く正しい情報を入手できるようにしておくことが大切です。情報をいつでも入手できるように、電池式のラジオを用意しておきましょう。緊急警報放送に対応しているラジオは、緊急時に自動的に電源が入るようになっています。