食パンをトースターで焼く際に、うっかり焦がしてしまった経験がある人は多いはず。
黒く焦げてしまった部分は、昔から「食べないほうがいい」といわれています。なぜ、食べないほうがいいのかご存じでしょうか。
農林水産省のウェブサイトでは、食品が焦げた場合の対処法を紹介しています。
(答)穀類や野菜など炭水化物を多く含む食品を炒めたり揚げたりした時、焦げた部分には多くの化学物質が生成します。アクリルアミドはそのとき生成する物質の一つです。また、肉や魚が焦げた部分にも、発がん物質を含む多くの化学物質が微量に含まれています。
気になる場合は焦げた部分を取り除いて食べると良いでしょう。ご家庭で調理をする時は、焦がしすぎないように注意しましょう。
農林水産省 ーより引用
アクリルアミドは、神経毒性と発がん性といった身体への悪影響が懸念される物質。
食品安全委員会の調査によると、神経への影響リスクは極めて低いものの、発がんリスクについては「公衆衛生上の観点から懸念がないとはいえない」とのことで、アクリルアミドの摂取量はできるだけ減らすべきとしています。
とはいえ、焦げてしまったパンをすべて捨ててしまうのはもったいないですよね。
農林水産省は「焦げた部分を取り除いて食べるといいでしょう」とアドバイスしているので、焦げていない部分が残っていたら、焦げた部分を切り取ったり、削ったりして食べるといいですね。
※写真はイメージ
ちなみに、アクリルアミドを発生させないためには、そもそも焦がさないようにすることが大事です。
どのような調理をした時にアクリルアミドができるのか、農林水産省はこのように回答しています。
(答)アクリルアミドは、特に、穀類、いも、野菜などの農産物を「揚げる」、「焼く」、「炒める」などにより120℃以上で加熱したときに生成します。特に、加熱調理により食材に含まれている水分が少なくなってから多く生成します。
「煮る」、「蒸す」、「ゆでる」など水を利用した調理では、食材の温度が120℃以上にならず、アクリルアミドはほとんど生成しないことが分かっています。
農林水産省 ーより引用
パンを焼く際、温度調節が可能であればトースターなどの加熱温度を低くするのもいいでしょう。
また、メーカー推奨の温度設定にして、加熱時間を守るのも大事なポイントです。
うっかり焦がしてしまったら丸ごと食べずに、焦げた部分を取り除くなどして食べるようにしてください。
[文/デジタル・コンテンツ・パブリッシング・構成/grape編集部]