エアコン冷房「つけっぱなし運転」の注意点は? – パナソニックが解説

パナソニックは7月31日、今夏の外出とエアコンに関する実態調査の結果を発表した。調査は2024年7月1日~7月8日、エアコンを所有している20~60代の男女548名を対象にインターネットで行われた。
○夏場の外出、帰宅した際に家のニオイが気になる?

今年の夏、1泊2日以上の外出の予定があるかたずねたところ、外出予定のある人が45%と約半数の結果となった。外出期間は「1泊2日」が18%で最多、「2泊3日」が13%、「3泊4日」が7%、「4泊5日」が4%と日数が短い順に割合が多くなった。

「普段、夏場に外出先から帰宅した際、家のニオイが気になることはありますか?」という質問では、「頻繁にある」(14%)、「時々ある」(44%)と、実に58%の方が「ある」と回答した。

部屋を換気せずに密閉した状態がさらに続く長期外出の場合は、「頻繁にある」(16%)、「時々ある」(45%)と、61%が「ある」と回答している。

実は夏場の不在時は、部屋が高温多湿になり、エアコンにカビが生えやすい環境となる。さらに、エアコンをはじめとした屋内のカビの繁殖が、部屋のニオイの原因となることも。今回、「夏の不在時は、高温多湿によりエアコンにカビが生えやすくなることを知っていますか?」とたずねたところ、「はい」(57%)の一方で「いいえ」(43%)と、4割以上が理解していないことがわかった。
○外出時にエアコンを切り忘れた経験は?

また、外出時に気になるのがエアコンの切り忘れ。「外出時にエアコンを切ったかどうか、不安になったことはありますか?」という質問では、「頻繁にある」(9%)、「時々ある」(38%)と47%が「ある」と回答した。

さらに、実際に切り忘れた経験については、「頻繁にある」(5%)、「時々ある」(21%)と26%が「ある」と回答しており、「ほとんどない」(37%)を含めると63%がエアコンを切り忘れた経験があることがわかった。

切り忘れた期間については、「24時間未満」が最多の55%、「1日~3日程度」(18%)、「4日~6日程度」(6%)という結果に。中には、「1ヶ月以上」と回答した人も3%いた。

多くの人が気になると回答した夏場の家のニオイ。パナソニック エアーマイスターの福田風子氏が、ニオイのケアにもつながる長期休暇や普段の外出時のエアコン注意ポイントを解説する。
○なぜ夏にニオイを感じる? 実は湿度が関係

高温多湿でニオイが気になるのは、実は多湿ゆえの水蒸気の発生が関係しているという。部屋の湿度が高くなると、水蒸気が壁や天井、布製品などに溶け出すと考えられる。その際、水蒸気とニオイ成分がほとんど同じ大きさのため、もともと壁や布製品などに吸着されたニオイ成分が水蒸気に溶け出して空気中に放出されてしまうという。さらに高温によって揮発しやすくなるため、高温多湿な夏場はよりニオイが増して感じやすくなる原因の1つ。
○多湿時のニオイの除去方法、効果的なエアコンの使い方も

多湿時のニオイには、エアコンを使うことで効果的にニオイを軽減できる。風量を最大にして、風向をスイング、除湿(ドライ)運転でできるだけ低めの温度(湿度)で30分~1時間くらい運転することで、湿度にのって壁や布製品から出てきたニオイ成分を回収して除湿し、結露水としてエアコンから排出することができる。

また、エアコンを使わずにニオイを軽減するためには「換気」も有効なため、窓を開け換気することができる。サーキュレーターを持っているなら、窓の外側にサーキュレーターを向けて運転すると、部屋の空気を一気に外に押し出すので効率よく換気できる。
○「カビ」もニオイの原因に

高温多湿環境はエアコン内部にカビが生える原因にもなる。不在時に生えたカビが”カビ風”として帰宅後に部屋にまき散らされて、ニオイの原因となってしまう可能性もあるという。
○エアコンをしっかり乾燥をさせてから外出を

環境にもよるものの、不在日数が3日程度から、カビ発生のリスクが高まり、目に見えるほどに増殖していく。外出で閉め切った部屋が高温多湿環境となる夏場。特に夏休みやお盆休みなど長期休暇を控える場合、「内部クリーン運転」を活用しエアコン内部をしっかり乾燥させてから外出することで、カビ対策できる。

現在流通しているエアコンは、多くの機種が内部クリーン機能を搭載している。まずは自宅のエアコン機能と設定の確認を。内部クリーン機能を正しく理解し、活用することが大切だという。
○長期外出時の注意ポイント1:プラグは差したままに

長期外出の際にコンセントからプラグを抜く人もいるが、エアコンの待機電力は1W以下になる。エアコンによってはエアコンを使用していない間も内部の温湿度センサーを働かせ、カビの発生しやすい環境になると「内部クリーン運転」を開始するエアコンもあるので、そのような機能を活用しているなら、プラグは差したままでいるよう推奨している。
○長期外出時の注意ポイント2:エアコンの切り忘れには注意を

ついやってしまいがちなのが外出時のエアコンの切り忘れ。長期外出の前は忘れずに「停止」ボタンを押して外出を。停止後に内部クリーン運転が働く場合があるが、内部クリーンは運転停止後に自動的にオフになるため、運転停止時の内部クリーン運転は切らずに外出できる。
○長期外出時の注意ポイント2:タイマー運転や室温(高温)みはり機能をオフに

意外と忘れがちなのは、タイマー運転を設定したまま外出してしまうケース。外出時はしっかりとエアコンを消したのに、帰宅したらタイマー設定でいつの間にかオンになっていた……ということがないよう、タイマー運転を切ることも忘れずに。また、この季節は室温が高くなると自動で冷房をONにする機能を活用している人もいるが、この機能は室温が条件になると自動で運転するため、長期不在時にはオフにすることが推奨される。
○普段の外出時のエアコン注意ポイント「エアコンをつける前にまずは換気を」

長期ではないものの、普段の通勤・通学やお買い物など、日常での外出でお部屋を空ける際の注意ポイントも解説している。

節電にもつながる帰宅時の注意ポイントとして、「エアコンをつける前にまずは換気」が推奨されている。帰宅後すぐにエアコンをつけると、外出中に閉め切った部屋の中で高温になった空気を冷やすために、消費電力が大きくなってしまう。一度、エアコンをつける前に換気をして熱気を出してからエアコンをつけると、節電にも繋がるという。
○夏の外出「つけっぱなし運転」と「こまめに消す運転」はどっちがおトク?

エアコンは、こまめにオフにするより「つけっぱなし運転」の方がおトクになることがあるとも言われている。これは、室内の温度が高いときにエアコンの運転をオンにすると、お部屋を急速に冷やすために多くのパワーが必要になるためだとか。いったん室内を適温にすればつけっぱなしでも少ない消費電力でキープできるが、外出の度に運転をオフにしていては室温が外気温からの熱を受けて高温になるため、帰宅してオンするたびに「強運転」となってしまい、消費電力が増えてしまう。
○外気温によって使い分けることで節電に

冷房使用時において、住宅の断熱性、室内熱負荷などの環境によるものの、外気温が35℃以上の”猛暑日”のような場合は、室温が上昇しやすいため、「つけっぱなし」運転がお得だが、30℃程度までであれば、室内温度がそこまで上がらないため「こまめに消す」運転の方が電気代の節約につながることがわかった。

○「つけっぱなし運転」もしすぎないことが大切

フィルターにホコリがみっしり付いた状態で運転させるとモーターやコンプレッサーに負荷がかかってしまうため、「つけっぱなし」運転の場合でも24時間稼働は行わず、1日のうち数時間はエアコンを休ませて自動おそうじ機能や内部クリーンを活用するのがおすすめだという。

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