恐怖が持続しやすい「怖がり遺伝子タイプ」が多い都道府県、1位は? – 2位 長野県、3位 鹿児島県

ユーグレナは7月31日、「恐怖が持続しやすい怖がり遺伝子タイプが多い都道府県ランキング」を発表した。調査は2024年7月、ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスのゲノムデータ(57,449人)をもとに算出した。

○生きる残るために必要な感情「恐怖の持続」とは?

「怖い」という恐怖の感情を抱き、その恐怖を学習して備えることは、生物学的な観点からすると、生き残るために必要なこと。恐怖があることで、人は危険な出来事やものを避けることができる。恐怖を経験した後、その時と似た状況に置かれると、実際に何も起こらなくても恐怖を感じるようになるという。これを「恐怖条件付け」という。条件付けされた恐怖は、何も起こらないことが続けば、似た状況に置かれても次第に恐怖を感じなくなり消えていくが、恐怖がすぐに消えるか長く持続するかは個人によって異なる。恐怖が消える過程には「内因性カンナビノイド」という脳内物質への反応系が関与しているといわれており、内因性カンナビノイド系に関わるタンパクの遺伝子型によって、恐怖の持続に個人差があったことが複数報告されている。
○今回の調査で解析した項目「恐怖の持続」に関する遺伝子型

ユーグレナ・マイヘルスとジーンクエストの遺伝子解析サービスでは、恐怖の消失・持続に関する「SNP:rs2180619」と恐怖への慣れ具合に関する「SNP:rs324420」の2つの遺伝子の違いをもとに、「恐怖の持続」の傾向を評価している。「SNP:rs2180619」の遺伝子型には、「恐怖が持続しやすいタイプ(遺伝子型:AA)」「恐怖が持続しにくいタイプ(遺伝子型:AG)」「恐怖が持続しにくいタイプ(遺伝子型:GG)」の3つのタイプがあり、「G」を持っていると、学習した恐怖が持続しにくい傾向があることがわかった。

今回の調査で、日本人における遺伝子型の割合は、「恐怖が持続しやすいタイプ(遺伝子型:AA)」が65.8%、「恐怖が持続しにくいタイプ(遺伝子型:AG)」が30.6%、「恐怖が持続しにくいタイプ(遺伝子型:GG)」が3.6%だった。

恐怖への慣れ具合に関する「SNP:rs324420」の遺伝子型には「恐怖に慣れにくいタイプ(遺伝子型:CC)」「恐怖に慣れやすいタイプ(遺伝子型:AC)」「恐怖に慣れやすいタイプ(遺伝子型:AA)」の3タイプがあり、「A」を持っていると、恐怖に慣れやすい傾向があることがわかった。

今回の調査で、日本人における遺伝子型の割合は、「恐怖に慣れにくいタイプ(遺伝子型:CC)」が69.8%、「恐怖に慣れやすいタイプ(遺伝子型:AC)」が27.4%、「恐怖に慣れやすいタイプ(遺伝子型:AA)」が2.8%だった。

○「恐怖が持続しやすい怖がり遺伝子タイプ」が多い都道府県は?

今回、ゲノムデータ「恐怖の消失・持続(SNP:rs2180619)」と「恐怖のなれ具合(SNP:rs324420)」の2つを調査し、「恐怖が持続しやすいタイプ(遺伝子型:AA)」、かつ、「恐怖に慣れにくいタイプ(遺伝子型:CC)」に該当する人の割合を都道府県ごとに算出した。

解析の結果、「恐怖が持続しやすい怖がり遺伝子タイプ」の人の割合が相対的に高い都道府県は、1位 青森県、2位 長野県、3位 鹿児島県、4位 高知県、5位 栃木県、6位 山形県、7位 新潟県、8位 福井県、9位 福島県、10位 島根県となり、一方で、41位以下に島根県を除く中国地方各県が集中した。
○日本人は遺伝的に怖がりさん!? 割合はアフリカ集団の約7.5倍

今回の調査における「恐怖が持続しやすい怖がり遺伝子タイプ」に該当する人の割合を人種別にみると、割合が高い順に、日本人を含むアジア集団(42.4%)、ヨーロッパ集団(23.1%)、ラテンアメリカ集団(18.1%)、アフリカ集団(6.0%)となった。なお、日本人の割合は、45.1%だった。日本人は、他の地域より遺伝的に「怖がりさん」が多く、割合はアフリカ集団と比べると約7.5倍も多い結果となった。

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