カミナリマークの日本車を発見! どこのメーカー? 車名は?


この日本車、トランクの後ろにカミナリ(?)のマークが付いています。自動車メーカーのエンブレムでカミナリマークというのはなかったはずですが……。さて、こちらはどこのなんというクルマでしょうか!

ヒント:カミナリっぽいけど実はアルファベット?

カミナリを表すビリビリマークだとばかり思っていましたが、よく見ると、アルファベットの「S」の可能性もありますね……。

このクルマについて、モータージャーナリストの内田俊一さんに聞いてみました。次のページで教えていただきます。

――正解は次のページで!


○問題をおさらい!

正解はこちら!

○【答え】日産自動車の5代目「シルビア」

このカミナリのようなエンブレムは、日産自動車が1988年に発売した5代目「シルビア」(S13)のものです。「SILVIA」の頭文字である「S」がモチーフになっています。当時はメーカーのものだけでなく、クルマごとにエンブレムをデザインすることが主流だったのです。

この5代目シルビアは“ART FORCE SILVIA”というキャッチコピーのもと、デザインの美しさと走りの楽しさを併せもったクルマとしてデビューしました。

フロントエンジンリア駆動(FR)で、新開発のマルチリンク式サスペンション(複数のリンクの組合せによってタイヤの動きを最適にコントロール。操縦性や直進安定性としなやかな乗り心地を両立する目的で開発)を備え、オプションで「HICAS-II」(四輪操舵システム)を用意するなど、操縦性も重視したクルマでした。

デザインは高い評価を得ました。車体を横から見ると、フード、ウエストライン、トランクリッドへと連続して、緩やかな「S」字の弧を描き、伸びやかさと流麗さを強調するデザインになっています。これは「エレガントストリームライン」と呼ばれました。「カプセルリアウインドウ」という3次曲面ガラスを採用し、左右およびルーフまで曲り込んだ斬新なリアデザインも特徴的でした。

インテリアにもエレガントで斬新な局面デザインを採用しています。乗る人を優しく包み込む、居心地のいい空間を目指したそうです。曲線と曲面による一体成形のシートが用いられたのも、シルビアならではです。

40年近く前のクルマですが、車速をフロントウインドウ右下方にデジタル表示する「ヘッドアップディスプレイ」をオプションで取り付けることもできました。走り、デザイン、先進性などが相まって、「デートカー」としてもてはやされたクルマでもあります。

5代目シルビアのグレード名は「J’s」「Q’s」「K’s」。トランプの絵札からとったネーミングです。K’sのみターボエンジンで、他は1.8リッター1,800ccDOHCエンジンを搭載していました。最高出力(馬力)はターボ付きが175ps、ノンターボが135psでした。

ほぼ同時にオーテック(現:日産モータースポーツ&カスタマイズオーテック事業部)によるコンバーチブルも発売されました。

近々、ホンダが「プレリュード」を復活させる様子ですが、このクルマこそ、シルビアの最大のライバルでした。いまでこそ2ドアクーペは少なくなりましたが、ぜひ日産からもシルビアが復活し、この市場を盛り上げてほしいものです。

それでは、次回をお楽しみに!

内田俊一 うちだしゅんいち 1966年生まれ。自動車関連のマーケティングリサーチ会社に18年間在籍し、先行開発、ユーザー調査に携わる。その後独立し、これまでの経験をいかしてデザイン、マーケティングなどの視点を含めた新車記事を執筆。また、クラシックカーの分野も得意としている。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員、日本クラシックカークラブ(CCCJ)会員。 この著者の記事一覧はこちら

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