成田山参道、ウナギ求めにぎわい 土用の丑の日 猛暑の中、注文ひっきりなし

土用の丑(うし)の日となった24日、ウナギ店が立ち並ぶ成田市の成田山新勝寺参道は、栄養価の高いうな重を食べて暑い夏を乗り切ろうと大勢の客でにぎわった。創業114年の老舗「川豊」は午前10時の開店から満席となり、持ち帰りの弁当を求める客の列もできた。ひっきりなしに入る注文に応えるため、熱気に包まれる焼き場では熟練技術を持つ職人がかば焼きを次々と仕上げた。
午前から猛暑日となった同市。参道では、多くの客がかば焼きの香ばしい匂いを漂わせる各店に足を運び、風情ある参道になじむ国登録有形文化財の川豊本店では、入店の整理券を求める客が押し寄せた。
同店の焼き場では、頭にタオルを巻いた職人らが額に汗を流して大忙し。この日は普段の倍となる職人15人を含む従業員計約100人態勢で客を迎えた。通常の休日の倍、平日の3、4倍の数のうな重を提供できるウナギを用意した。
同店では新鮮なウナギを店内でさばき、白焼きしてから身をふっくらさせるために蒸した後、創業から継ぎ足す薄甘口のタレを絡めて再び焼く。小貫暁子副店長(51)は「さっぱりしつつ深みのあるかば焼きになった。ビタミンなど栄養が豊富なウナギを食べて夏バテ防止の体力をつけてほしい」と呼びかけた。
仕事仲間と訪れた同市の会社員、高野晃一さん(24)は「暑い夏を乗り切るために初めてウナギ店に来た。おいしくてスタミナがつきそうだ」と喜んだ。
ウナギの稚魚の不漁や円安の影響で6月頃から仕入れ値が急激に上がっているという。伊藤小澄社長(53)は「値上げも検討したが、多くの人に食べてもらいたいので今夏は何とか据え置きたい」とした。

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