愛知県犬山市に住む小学1年の女の子が死亡し、母親と内縁の夫が逮捕された事件。虐待の「サイン」が2度出ていたにも関わらず、「最悪の結果」は防ぐことができなかったのでしょうか。
死亡した7歳女児「パンチされた」と訴えていた 2度の“一時保…の画像はこちら >>
7歳の女の子の命はなぜ、守ることができなかったのでしょうか。19日に送検された犬山市上野のパート従業員・島﨑みなみ容疑者(33)と、内縁の夫とみられる倉田凱容疑者(32)。
警察によりますと、倉田容疑者はことし5月、自宅アパートで、島﨑容疑者の娘で、小学1年生の島﨑奈桜さん(7歳)の腹部に暴行を加えてその後、死亡させた傷害致死の疑いがもたれています。また、島﨑容疑者は奈桜さんが体調不良を訴えたにも関わらず、適切な処置を怠るなどした保護責任者遺棄致死の疑いが持たれています。警察は2人の認否を明らかにしていません。
CBC
(一宮児童相談センター 杉本一正センター長)「奈桜さんの証言としては、知人男性からパンチされたという話だった」最初の「サイン」は2022年。奈桜さんが受診した医療機関が、前回の受診時よりも体にアザが増えていることに気づき、児童相談所に通告。奈桜さんは倉田容疑者に「パンチされた」と訴えたといいます。
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児童相談所は奈桜さんを一時保護しましたが、島﨑容疑者と倉田容疑者は虐待を否定。暴力があった可能性も踏まえ、倉田容疑者には奈桜さんと会わないことを確認して一時保護を解除しました。ところが…。
CBC
(一宮児童相談センター 杉本一正センター長)「(一時保護を)解除して間もない時期に、奈桜さんが通う保育園から通告があった。左あごに小さなあざがある」
通告を受け奈桜さんは、去年4月、2度目の一時保護に。「奈桜さんの面接については、繰り返し繰り返し実施した」このときは奈桜さんも虐待を否定したこともあり、およそ2か月で一時保護は解除されました。それから1年たらず、2度の「サイン」が出ていたにも関わらず、「最悪の結果」は防ぐことができなかったのでしょうか。
児童養護施設で生活する子どもたちを支援するNPOの代表は。(NPO子どもサポートネットあいち 長谷川眞人代表)「行政には直に自分たちが行ける時間帯の問題がある。虐待が昼ではなく深夜に起こるとか、そういう状況だとまず行けない」「行政の限界は当然ある」とした上で、民生委員や児童委員など、行政と地域が連携して、虐待の兆候をつかめなかったのかと指摘します。
一方、実際に子どもの頃、父親から暴力を受けていたという、名古屋市に住む蛯沢光るさんは。(蛯沢光さん)「親がダメと言ったことをしたから(虐待)されたぐらいにしか思っていなかったのが正直な認識かなと」当時は「しつけの一環」で虐待とは認識しておらず、また、子どもが声を上げることの難しさもあるといいます。(蛯沢光さん)「何をされるかも分からないのに、なかなか親のことについてこうだああだと言うのは現実的に難しいと思う」
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捜査関係者によりますと、島﨑容疑者のスマートフォンに残されていた画像やメッセージのやりとりには、倉田容疑者が日常的に奈桜さんを虐待していたことを強くうかがわせるものがあったということで、警察が詳しく調べています。
愛知県の大村秀章知事は19日、児童相談所の対応が適切だったかを調査し、再発防止策を検討する検証委員会を立ち上げたと発表しました。