アメリカのニューヨーク州にある動物保護施設『ウッドストック・ファーム・サンクチュアリ』。
この施設では飼育放棄されたり、屠畜場(とちくじょう)へ送られそうになったりした家畜を保護し、永遠の家を与えています。
『ウッドストック・ファーム・サンクチュアリ』に1頭のヒツジが仲間入りしました。
ニコールちゃんというヒツジは前の牧場で何度も繰り返し繁殖させられましたが、生まれた赤ちゃんはすべて亡くなってしまったのだそう。
検査の結果、ニコールちゃんの乳房になんらかの異常があり、赤ちゃんが母乳を飲めない状態になっている可能性が高いことが分かりました。
しかし、ニコールちゃんと赤ちゃんたちは牧場主から何の助けも受けられなかったのだとか。
その結果、ニコールちゃんは次々と子ヒツジを失い、ついには自身も牧場主から必要とされなくなったのです。
それは、ニコールちゃんが屠畜場へ送られることを意味します。
ニコールちゃんについて知った『ウッドストック・ファーム・サンクチュアリ』は、すぐさまニコールちゃんを保護することにしました。
『ウッドストック・ファーム・サンクチュアリ』に到着した時、ニコールちゃんは大人しく、シャイな性格だったそう。
数日間の隔離期間を経た後、ニコールちゃんがついに、新しい仲間たちと初対面をする日がやってきました。
車から降りたニコールちゃんは、少し離れたところにいるヒツジたちを見て立ち止まります。
するとそんなニコールちゃんを見た、ほかのヒツジたちの反応は…。こちらをご覧ください。
ニコールちゃんを見つけたほかのヒツジたちが、次々と駆け寄ってきます。
そしてヒツジたちは「いらっしゃい!」「よろしくね」というように、ニコールちゃんを囲んで歓迎したのです。
「ニコール、新しい生活へようこそ。あなたはここでは愛され、大切にされているよ」とつづられた動画は、感動の涙を誘いました。
・自分がヒツジのビデオを見て大泣きするなんて、思わなかった。
・みんなが駆け寄ってグループハグをしているね。
・「ここは安全だよ」って、教えてあげているみたいだ。
ニコールちゃんに真っ先に近寄った小柄のヒツジはトニちゃんといい、2019年に我が子を連れて屠畜場から逃げ出して、保護されたのだとか。
現在は親子そろって『ウッドストック・ファーム・サンクチュアリ』で穏やかに暮らしています。
施設には、ニコールちゃんやトニちゃんのような境遇から助け出されたヒツジがたくさんいるとのこと。
そんな仲間たちに温かく迎えられたニコールちゃんは、新しい生活にすっかりなじんでいるそうです。
我が子を失い続けるという辛い経験を何度もさせられたニコールちゃん。
これからはようやく見つけた安住の地で、仲間たちと幸せに暮らしていってほしいですね。
[文・構成/grape編集部]